西谷祐子 法学研究科教授が2020年度フィリップ・フランツ・フォン・ジーボルト賞を受賞しました。(2020年10月8日)

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西谷教授
授賞式の様子(左:レーペル駐日大使、右:西谷教授)

西谷祐子 法学研究科教授が、ドイツ連邦共和国より、2020年度フィリップ・フランツ・フォン・ジーボルト賞を受賞しました。

本賞は、学術交流促進のため、1979年より毎年、日独の文化と社会の相互理解の促進に貢献のあった日本人科学者にドイツ連邦共和国大統領から授与されます。

本学からの受賞は、第1回の沼正作博士から数えて9人目となります。本賞は、例年、アレクサンダー・フォン・フンボルト財団年次大会の際に、ドイツ連邦共和国大統領から直接授与されますが、今年はコロナウイルスの影響で、2020年10月8日(木曜日)、在東京・ドイツ連邦共和国大使館にて式典が行われ、イナ・レーペル 駐日大使から授与されました。

西谷教授のコメント

今回の受賞は、日本とドイツをはじめ、米国、英国、フランス、スイス、ベルギー、イタリア等の各国の研究者の方々や、諸研究機関及び財団等の皆様による、公私にわたる幅広いご支援の賜物です。とりわけ京都大学の皆様には、多方面にわたって研究活動を支えていただき、心より感謝申し上げます。

私は、法学の中で、国境を越えた私人間の法律関係を扱う国際私法及び国際取引法を専門としています。ドイツで幼少期を過ごした経験もあって、早くから国際関係に関心をもってきました。そして、諸外国の研究者と同じ土俵で肩を並べて研究し、世界で通用する論文を発信したいという一心で、国内外で地道な研究を積み重ねてきました。それが今回の受賞という形で実を結び、とても嬉しく思っています。

現在は、グローバル化の中での国民国家の変容と法多元主義、移民のアイデンティティと国際家族関係のほか、多国籍企業の社会的責任などに関心をもって研究を進めています。今回の受賞を励みに、さらに研究を発展させられるよう、精一杯尽くしたいと思います。皆様には、今後ともご指導ご鞭撻を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

主な経歴

1992年京都大学法学部卒業、1994年京都大学大学院法学研究科修士課程修了、1997年同博士課程退学、1998年ハイデルベルク大学博士号取得。1994年から1997年までドイツ学術交流会(DAAD)奨学生、1994年から複数回マックス・プランク財団奨学生、2003年から2004年までフルブライト財団奨学生、2009年から2011年までアレクサンダー・フォン・フンボルト財団奨学研究員。ドイツ、フランス、スイス、イタリア、オランダ、米国にて在外研究。1997年から東北大学大学院法学研究科准教授、2011年から九州大学大学院法学研究院教授、2015年4月から京都大学大学院法学研究科教授。米国・デューク大学、ベルギー・ルーバン・カトリック大学、スイス・チューリッヒ大学、イタリア・ブレッシャ大学、イスラエル・テルアビブ大学、台湾・法官学院等のほか、ハーグ国際法アカデミーの客員教授を歴任。法制審議会部会幹事、ハーグ国際私法会議日本政府代表等を務めたほか、現在、国際法学会理事、国際私法学会理事、日本国際経済法学会理事、日本学術会議連携会員、ハーグ国際法アカデミー理事、比較法国際アカデミー正会員の職にある。

受賞理由

今回の受賞は、西谷教授が法学研究において、日本とドイツのみならず、米国、フランス、スイス、ベルギー、イタリア等の各国の研究者とも活発に学術交流を行い、幅広い領域で積極的に発信し、卓越した研究業績を上げてきたことが高く評価されたものです。西谷教授には、これからも幅広く国際交流に尽力し、次世代の研究者の育成に貢献していくことが期待されています。

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