「東京で学ぶ 京大の知」シリーズ32「再生医療 -現状と展望-」第4回を開催しました。(2019年9月25日)

公開日

連続講演会「東京で学ぶ 京大の知」のシリーズ32は、「再生医療 -現状と展望-」をテーマに「京都アカデミアフォーラム」in丸の内で開催しました。

シリーズ32の第4回は、「社会で考えるiPS細胞研究の倫理」と題し、藤田みさお iPS細胞研究所特定教授が講演を行いました。

藤田特定教授は、まず受精卵から作製するヒトES細胞について倫理的な課題があることの説明を行い、続いて人の皮膚から作製することで、ヒトES細胞の倫理的課題をクリアしたiPS細胞の誕生について説明を行いました。次にiPS細胞を用いてブタの体内で作製した臓器を人に移植する研究やヒトiPS細胞から受精卵と精子を作製し受精させる人工生殖細胞作製研究を例に、会場の意見を交えつつ、様々な観点から再生医療やiPS細胞研究の倫理について来場者と共に考えました。最後は人権思想の広まり、科学進歩・発展、社会的議論の必要性を挙げ、改めて再生医療について社会全体で考えていく必要性について述べました。

来場者からは「ますます複雑化する社会の中で、倫理の大切さを改めて感じました」、「最新技術が根付くまでに考えなくてはならない問題が様々あることがよく分かりました」などの感想が寄せられました。講演後は、参加者による積極的な質疑応答が繰り広げられ、再生医療の知に触れる機会となりました。

講演する藤田特定教授

会場の様子

関連部局