京都大学では、iPS細胞研究成果の一日でも早い社会還元を実現するため、事業管理会社の「一般社団法人iPSホールディングス」と、知財管理活用会社の「iPSアカデミアジャパン株式会社」を活用した社会還元事業を展開しています。
このたび、知財の管理活用事業を進めている「iPSアカデミアジャパン株式会社」は、タカラバイオ株式会社およびリプロセル株式会社と「iPS細胞の作製方法に関する特許」に関して、同社設立後初の特許ライセンス契約を締結しました。
タカラバイオ株式会社との契約は、研究用途としたiPS細胞作製用試薬の製造、販売および研究受託を目的とした、全世界をテリトリーとする非独占的通常実施権を、リプロセル株式会社との契約は、ヒトiPS細胞由来心筋細胞の作製販売、およびヒトiPS細胞由来心筋細胞を用いた薬効、安全性毒性試験などの受託を目的とした、全世界をテリトリーとする非独占的通常実施権を許諾するものです。
iPSアカデミアジャパン株式会社
京都大学と株式会社大和証券グループ本社、株式会社三井住友銀行および、エヌ・アイ・エフSMBCベンチャーズ株式会社との合意に基づき2008年5月2日に設立された有限責任中間法人 iPSホールディングスが、iPS細胞の研究成果(知的財産権)の管理・活用を行う事業実施会社として6月25日に設立した会社です。同社は、京都大学iPS 細胞研究センター長 山中伸弥 教授らのiPS 細胞研究の成果の実用化に向けた産業界への技術移転を促進するとともに、大学における関連する知的財産の管理・活用体制の強化、また、強固な知的財産リスク対策などの諸課題に柔軟に対応するための具体的な事業を進めるものであり、iPS 細胞研究に係る発明の円滑かつ適切な管理・活用と、その事業化を通じた研究成果の社会還元、社会貢献の推進を図ることを目的としています。
関連リンク
- 人工多能性幹細胞(induced Pluripotent Stem Cells; iPS細胞)の作製方法に関する特許が成立(日本) (2008年9月11日)
- iPS細胞研究成果の社会還元を図るための事業について(2008年7月3日)