藤吉 好則 理学研究科教授が紫綬褒章を受章(2006年11月3日)

藤吉 好則 理学研究科教授が紫綬褒章を受章(2006年11月3日)
藤吉教授の写真

このたび、わが国学術の向上発展のため顕著な功績を挙げたことにより、藤吉 好則理学研究科教授が平成18年11月3日(金曜日)に紫綬褒章を受章されました。

以下に同教授の略歴、業績等を紹介します。

藤吉 好則教授は、昭和46年名古屋大学理学部化学科を卒業、同49年に京都大学大学院理学研究科に進学し、同57年に理学博士の学位を授与されました。昭和55年京都大学化学研究所教務職員、同60年同助手、同62年蛋白質工学研究所主任研究員、同63年同主席研究員、平成6年松下電器国際研究所リサーチディレクターを経て、同8年京都大学大学院理学研究科教授となり、構造生理学を専門として現在に至っています。また、平成11年より理化学研究所播磨連携メンブレンダイナミクス研究グループ生体マルチソームチームチームリーダー、同15年より同18年まで同グループリーダー、平成12年より同16年まで産業技術総合研究所生物情報解析研究センター高次構造解析チームチームリーダーも併任しました。

藤吉教授は、自ら開発した高分解能極低温電子顕微鏡を用いることにより、細胞の水チャネルやアセチルコリン受容体、バクテリオロドプシン、各種イオンチャネルなど、医学や生物学的に重要な細胞の情報伝達を担う膜タンパク質の機能と構造を解析しました。さらには脳と神経の機能をタンパク質の分子構造から理解できるようにと、電子線結晶学や単粒子解析法などを用いて膜タンパク質の立体構造解析を進めており、構造生理学ともいうべき分野を確立しました。これらの成果は創薬の開発や病気などのメカニズムの解明にも貢献するものと期待されています。

これら一連の業績が高く評価され、昭和63年に瀬藤賞、平成17年に産学連携功労者科学技術政策担当大臣賞、山﨑貞一賞、慶應医学賞、同18年には島津賞を受賞しています。

理学研究科