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山中伸弥物質-細胞統合システム拠点iPS細胞研究センター長/再生医科学研究所教授がロベルト・コッホ賞を受賞 (2008年2月23日)

  このたび,山中伸弥物質-細胞統合システム拠点iPS細胞研究センター長/再生医科学研究所教授がロベルト・コッホ賞を受賞されることになりました。

 授賞式は,11月にベルリンで行われる予定です。

 以下に,同教授の略歴,業績等を紹介します。

 山中伸弥教授は,昭和62年神戸大学医学部を卒業後,国立大阪病院臨床研修医を経て,平成5年大阪市立大学大学院医学研究科博士課程を修了し,米グラッドストーン研究所博士研究員,日本学術振興会特別研究員,大阪市立大学医学部助手,奈良先端科学技術大学院大学遺伝子教育研究センター助教授を歴任した後,同16年京都大学再生医科学研究所教授,同19年京都大学物質-細胞統合システム拠点教授に就任,同20年1月には同拠点内に設置されたiPS細胞研究センター長に就任し,現在に至っています。

 今回のロベルト・コッホ賞受賞は「体細胞からの多能性幹細胞誘導」に関する業績に対するものです。平成18年8月,4つの因子(Oct3/4,Sox2,c-Myc,Klf4)を組み合わせてマウス体細胞に導入することにより,高い増殖能と様々な細胞へと分化できる多能性をもつiPS細胞の樹立に成功し,同19年5月には改良したマウス第2世代iPS細胞を樹立し,同細胞を受精卵に戻すことにより,マウスの全身の細胞に正常に分化することを明らかにしました。そして同年11月,ヒトの皮膚細胞からES細胞(胚性幹細胞)と遜色のない能力をもった人工多能性幹細胞(iPS細胞)の開発に成功し,続いてがん遺伝子でもあるc-Myc以外の3因子により大人のマウスおよび成人皮膚細胞からiPS細胞を樹立した。同20年2月,同教授,科学技術振興機構(JST),医薬基盤研究所(NIBIO)の研究グループは,マウスの肝臓と胃の細胞からiPS細胞を作製することにも成功し,iPS細胞は分化細胞の時計を巻き戻すことによりできることを証明しました。

 これらの業績に対して,平成18年に科学技術政策研究所「ナイスステップな研究者」に選定され,同19年に大阪科学賞,独マイエンブルク賞,同20年に朝日賞,井上学術賞が授与されました。