大西 有三

大西 有三

大西 有三(おおにし ゆうぞう)

渉外担当

特命事項
外部戦略、社会連携、大学基金、同窓会、コンプライアンス、リスクマネジメント

メッセージ

 渉外部は、平成22年10月1日に発足した新しい部署です。特命事項に記載の通り、渉外部は大学が外が繋がっているいろいろな事項を幅広く担当することになります。中でも、外部戦略は、松本紘 総長以下の新執行部において新しくもうけられた部署であり、外部戦略室が業務を担っております。平成20年10月から平成21年9月までの1年間は、吉川潔 理事・副学長がこの部署を担当し、その後大西に交代しました。外部戦略の目的は、大学ブランド戦略の構築、大学基金の充実、卒業生・同窓生のケアーと連携、外部との連携の窓口と総合調整などであります。

 さらに、外部戦略活動には、企画部の社会連携推進課との共同作業が含まれています。社会連携推進課は大学基金、公開講座、卒業生のサポートとホームページ上の卒業生名簿「京大アラムナイ」を所掌しており、中身の充実を図っています。

 活動の一環として、昨年、東京地区の拠点、京都大学東京オフィスをJR品川駅から徒歩3分のビルの中に開設しました。自由に懇談が出来るかなり広いラウンジや予約制の会議室が三つ設けられており、そこで様々なイベントが企画・実行されています。京都大学の教職員はもとより、学生や卒業生の方々にも東京に出かけたときに、連絡場所や休憩所として使っていただきたいと願っております。

 一方、京都においては、大正時代の雰囲気が色濃く残っている楽友会館(近衛通)の再生・改修事業が行われ、平成22年10月1日にオープン、10月9日に開所式典が挙行されました。大学のスペース・マネジメントの関係で京大会館を大学文書館に転用することになったため、会議室・食堂の機能を楽友会館に移しました。一般の会議、同窓会の集合、懇親会など様々なイベントに利用可能であります。

 このような外向けの施設整備だけでなく、こうした施設を通しての外部・ステークホルダーとの接触、京都大学を知っていただくための戦略立案と具体的な方策の実行に力を注ぎつつある段階であります。具体策の一つとして、わかりやすいキャンパスマップの作成を急いでいます。京都大学を志望する高校生のかなりの人たちが、大学を訪れたときの印象から最終的に京都大学を受験していることがアンケート結果からわかっております。大学を訪れる人たちへの親しみのある広報活動は、重要な外部戦略であると考えています。

 京都大学には、卒業生・同窓会からの永続的なサポートが必要です。昨今のように、国からの運営費交付金が年々削減され、景気回復が望めない状況下では、恒常的な奨学金援助や施設整備のために、大学が自活する道を探らなければなりません。授業料値上げ、外部資金の受け入れ増加等々、いろいろ方策は考えられますが、外国の大学のように同窓生からの寄附を仰ぐこともよく検討すべき方策と思います。そのためには、同窓会との緊密な情報交換と連携が必要です。

 大学同窓会関連においては、大学全体の同窓会組織の構築と活動の活性化、大学と卒業生との関係強化(随時意見交換会の開催)、年1回のホームカミングデーの実施、国内外における同窓会の設立や活動の援助などを行っています。その成果の一部が、国内では、新たな北海道支部をはじめいくつかの地域同窓会の設立があり、国外ではLondon、New York、Washington DC、上海、ソウル、ハノイで同窓会支部の設立がありました。京都大学ホームページの地域同窓会ページ内の世界地図の中に、現在支部が存在する都市に旗が立っていますので、今後仕事や勉学でかの地を訪れるときに是非連絡をしていただき、交流を深めてもらいたいと思います。

 欧米の大学や日本の有力大学に比して同窓会対応が遅れているとされる京都大学ですが、卒業生が自身の動向をWeb上で大学データベースに登録できる卒業生名簿「京大アラムナイ」システムを平成22年9月1日に稼働させましたので、これを更に機能向上させて卒業生の情報交換に便利に利用できるよう準備を進めております。

 一般の人にはあまりなじみのない大学の研究内容などを外部に発信することについては、春秋講義、市民講座、京都大学未来フォーラム、京都大学地域講演会などの公開講座を定期的に開催し、卒業生に限らず、一般市民への情報提供を心掛けています。また、東京オフィスを利用して、朝日新聞との連携事業である連続講演会「東京で学ぶ 京大の知」を立ち上げ、継続的な情報発信を行っています。

 特命事項の一つであるコンプライアンス・リスクマネジメントについては、京都大学が大学法人化されて以来、環境の保全、安全管理を自前で行わざるを得なくなったため、環境安全保健機構が設立され、全学的な対応も行うこととなったことは周知の通りでありますが、それ以外にリスク管理という概念を大学にどのように取り入れるかの検討を迫られております。

 機構では、安全確保のために、日常の点検や注意喚起、法令遵守などの講習会参加、化学物質のデーターベース化と管理の徹底、学生および初任者安全教育の充実を図っており、成果を上げていますが、大学に日常生活に潜むリスクの管理は別の部署でリスクチェックシートを作成し、対策チームを作って別個に検討しております。昨年、新型インフルエンザ対応で大学を休校にするかどうか問われたときの危機管理部会の活躍は覚えておられると思います。今後も、様々な事態を想定して、大学の安全を確保していくための努力を続けていく覚悟ですので、ご支援よろしくお願いします。