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山中伸弥 物質-細胞統合システム拠点iPS細胞研究センター長が恩賜賞・日本学士院賞を受賞 (2010年3月12日)

 このたび、山中伸弥 物質-細胞統合システム拠点iPS細胞研究センター長が第100回(平成22年)日本学士院賞ならびに恩賜賞を受賞することになりました。日本学士院賞は、学術上特に優れた研究業績に対して贈られるもので、日本の学術賞としては最も権威ある賞です。また、恩賜賞は、日本学士院賞の中から特に優れたものに授与されます。

 山中センター長は、昭和62年3月に神戸大学医学部を卒業、国立大阪病院で臨床研修医を経て、平成5年3月に大阪市立大学大学院医学研究科博士課程を修了しました。グラッドストーン研究所研究員に採用され、同5年4月に渡米、帰国後、同8年10月から大阪市立大学医学部薬理学教室助手に任用されました。同11年12月に奈良先端科学技術大学院大学遺伝子教育研究センター助教授(現在の准教授)として採用され、同15年9月に教授に昇任しました。同16年10月に京都大学再生医科学研究所再生誘導研究分野教授に着任、同20年1月に物質-細胞統合システム拠点iPS細胞研究センター長・物質-細胞統合システム拠点教授、同22年4月にiPS細胞研究所長を併任する予定です。

 今回の受賞は、「人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cell: iPS細胞)の樹立」によるものです。山中センター長は、マウス線維芽細胞に4つの遺伝子(Oct3/4, Klf4, Sox2, c-Myc)をレトロウイルスベクターを用いて導入し、ES細胞(embryonic stem cell: 胚性幹細胞)に似た、ほぼ無限に増殖する能力と様々な組織や臓器の細胞を作り出す多能性を有する幹細胞の樹立に世界で初めて成功し、平成18年8月に発表し、これをiPS細胞と名付けました。さらに、ヒトの皮膚細胞からiPS細胞の作製に成功し、翌19年11月に報告しています。
  体細胞の初期化による多能性幹細胞樹立は、ES細胞が抱える受精卵を破壊するという倫理的・宗教的な問題や、移植時の拒絶反応を回避することが期待でき、病態の解明、新しい治療法や新薬の開発に大きく貢献する可能性を持つ画期的な技術です。
  現在、世界中の様々な分野の研究者がiPS細胞研究に取り組み、創薬や再生医療への応用へ向けて、数多くの知見が報告されています。山中センター長の研究グループもがん遺伝子であるc-Mycを用いずにiPS細胞を樹立する方法や、ゲノムへの挿入が危惧されるレトロウイルスを用いず、プラスミドDNAを用いた作製方法を開発し発表しました。安全で有効なiPS細胞を作製するために、安全な細胞の評価法など様々な課題をクリアするための基礎研究を推進しています。また、本年4月1付けでiPS細胞研究所(CiRA)が設立されることとなり、基礎、前臨床、臨床研究へとシームレスに推進する体制を整えつつあります。
  幹細胞研究に新たな道を切り開いたこの画期的な業績に対して、平成20年に紫綬褒章、同21年にカナダ・ガードナー国際賞、アルバート・ラスカ-基礎医学研究賞などを受賞しており、これらに続く恩賜賞・日本学士院賞の受賞は、大変名誉なことであるとともに、研究者にとって大きな励みとなっています。

 なお、授賞式は6月に東京で行われる予定です。

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