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望月拓郎 数理解析研究所准教授が日本学士院学術奨励賞を受賞しました。(2010年3月1日)

 望月拓郎 数理解析研究所准教授が日本学士院学術奨励賞を受賞しました。

 同賞は、優れた研究成果をあげ、今後の活躍が特に期待される若手研究者に対して与えられるもので、日本学術振興会賞を受賞した若手研究者の中から、我が国の学術の発展に寄与することが特に期待される者6名以内が選ばれるものです。
  この授賞式が3月1日(月曜日)に日本学士院で行われました。
  以下に、望月准教授の略歴、業績等を紹介します。

 望月拓郎准教授は、平成6年3月京都大学理学部を学部3年次大学院入学のため中退、同11年3月同大学院理学研究科博士課程修了、同年4月大阪市立大学理学部助手に就任、同16年4月京都大学大学院理学研究科助教授、同20年5月同数理解析研究所准教授となり現在にいたります。

 今回の受賞は、「調和バンドルの漸近挙動の研究」によるものであり、代数・幾何・解析のすべてが絡み合う、調和バンドルの理論を高次元で非コンパクトな場合へ拡張し、その応用として「射影多様体上の半単純な正則ホロノミックD-加群の圏が種々の関手によって保存される」とする柏原予想を解決したことが評価されたものです。

 柏原予想は、Beilinson-Bernstein-Deligne-Gabber による同様の結果が、ずっと広いクラスのD-加群についても成り立つことを予想するものです。このBeilinson らによる結果は、代数的な手法を用いて証明されたもので、20世紀の数学の最高峰の一つといわれており、様々な応用があります。
  一方、調和バンドルは、半単純な平坦束の上で非線形微分方程式を解くことで得られる幾何学的な対象です。90年代より多くの研究がなされていますが、柏原予想に応用するためには、調和バンドルが特異点でどのような振る舞いをするか、詳細に知る必要があります。これは、非線形偏微分方程式の解の性質の研究であり、極めて難しい問題であると考えられ、解決には50年かかるだろうともいわれていました。望月氏は総計1000ページを越える論文によって、これを8年あまりで解決しました。

 この研究成果は内外の学者により極めて高く評価されており、今回の受賞の対象となったものです。

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