第14回国際サンスクリット学会を開催しました。(2009年9月1日~5日)

第14回国際サンスクリット学会を開催しました。(2009年9月1日~5日)

 百周年時計台記念館と文学研究科講義棟を会場として、第14回国際サンスクリット学会を開催しました。国際サンスクリット学会は3年毎に、世界の主要大学を会場にして開催されていますが、本学における開催が、インドを別にすればアジアでは最初の開催となります。35カ国から、488名の正式登録者(日本から145名、海外から343名、うちインドからは88名)が参加しました。同伴者および当日の参加者を加えると、参加者は優に500名を超えました。

 9月1日午前9時30分からの開会式では、徳永宗雄大会委員長の司会のもと、松本紘総長の開会挨拶にはじまり、インド大使ヘーマント・クリシャン・シン閣下の祝辞、インド政府代表アニタ・バットナガル・ジャイン女史の挨拶、国際サンスクリット学会会長クトゥンバ・シャストリ教授の挨拶が続きました。開会式の後の基調講演では、インド史家として世界的に著名なロミラ・ターパル教授が、"Historical traditions from the early Indian past"と題した講演を行いました。「歴史」概念を再考察する格調高い講演でした。

 続いて、服部正明本学名誉教授による基調講演"Kyoto and Sanskrit Studies"が行われ、わが国におけるサンスクリット学の展開と京都大学における斯学の伝統について話されました。午後からは、一般部会における研究発表が開始されました。研究発表は、連日7教室において同時進行で行われました。ヴェーダ学、言語学、サンスクリット学、文学、宗教史、哲学、仏教学、科学史、文化史など15の部会と、2つの特別パネルに別れた研究発表の総数は400に及びました。また、百周年時計台記念館では、サンスクリット劇についての講演、サンスクリットによる哲学的討論会、サンスクリット即興詩の競技会、インド舞踊、ヒンディー語劇「夕鶴」などの催し物が、一般からの聴衆も迎えて、連日開催されました。また、この学会に合わせて百周年時計台記念館の企画展示室で開催された、日本のサンスクリット学の草分けとも言うべき慈雲尊者の業績を紹介する特別展示(井狩弥介 本学名誉教授企画)は、広く関心を呼び多数の参観者を迎えました。

 最終日、5日の午後には、保津川下りや社寺見学など5つのコースに別れてのエクスカーションがあり、参加者はそれぞれに京都の晩夏を楽しみました。夕刻からは、百周年時計台記念館の国際交流ホールに450席を設けての歓送晩餐会が盛大に行われました。晩餐会では、インド総領事ヴィカース・スワループ氏により、今回のサンスクリット学会が総括されました。ちなみに、ヴィカース・スワループ氏は、小説"Q&A"の作者、即ち本年のアカデミー賞作品賞受賞作「スラムドッグ$ミリオネア」の原作者です。こうして、第14回国際サンスクリット学会は、大盛会のうちに終了しました。

 今回の国際サンスクリット学会は、参加者数が史上最高の規模になったことだけでなく、各部会における発表が高いレベルを示したこと、5日間のプログラムが極めて順調に進んだこと、天候にも恵まれたことにおいても、高く評価されるに違いありません。しかし、参加者の誰もが、とりわけ賞賛と感謝の言葉を口にしたのが、学生サポーターたちの微笑みと親切心に満ちた応対の態度であったことを付け加えておかなければなりません。学生達にとっても、本格的な国際学会がどのようなものであるかを知り、国際交流をホストの側から主体的に経験する絶好の機会となりました。


総長の開会の辞に聞き入る来賓。前列左から、シン駐日インド大使、ジャインインド政府代表、シャストリ国際サンスクリット学会会長

基調講演者であるロミラ・ターパル教授(左)と服部正明
本学名誉教授

受付開始の風景。黄色いシャツが学生サポーター

晩餐会におけるヴィカース・スワループ氏(右)

晩餐会風景

松本紘総長の挨拶