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京大の「実は!」Vol.9 京都大学の「物質-細胞統合システム拠点(iCeMS=アイセムス)の実は!」

 文部科学省の「世界トップレベル研究拠点プログラム(WPIプログラム)」に採択され、2007年10月1日、本学に設立された研究施設「物質-細胞統合システム拠点(iCeMS=アイセムス)」(北川進 拠点長)。

 

 「物質-細胞統合科学という新たな学際領域を創出する」、「科学者のキャリア形成における国際的ハブとなる」、この二つをミッションとして、世界中から集まった高いレベルの研究者を中核とした、世界トップレベルの研究拠点の形成を目指しています。

 今回はそのiCeMSに潜入し、iCeMS広報掛のKornhauserさんと科学コミュニケーショングループの水町さんに、日頃見ることの出来ない施設内部を紹介してもらいました。(※施設内は実験内容と研究の都合上、一般の方は入れませんのでご注意ください。)

iCeMS本館 

 東大路通りと東一条通りの交差点北西角に位置する本館は、iCeMSの本部機能を担っています。ここには、共同研究スペース以外に、大型セミナー室、ラウンジ、展示スペース等があります。


iCeMS本館外観

1階

 エントランスから入り、まず目に飛び込むのが、この特徴的なアート。


「ゴルディアスの結び目」と題されたこのアートは、「複雑に絡みついた世界(=物質・細胞科学)をみんなで紐解いていこう!」という思いを込めて中辻拠点長(当時)がセレクトされた作品だとか。

 さらに本館のシンボリックなスペースが、この開放感ある中庭です。


(左)建物の中央部分にある開放的な中庭。(右)上から見ると不思議な構図になっています。

 一見無造作に配置されたように思える緑や石ですが、実はここに深い意味が!

 もともとは、二つの島に分かれて植えられた中心の緑は、それぞれ「細胞」と「物質」を表しています。設立当初は離れた位置に植えられていたものが、徐々に成長し、拡がり、近づき、今では一体化しかけているよう。これは「細胞と物質の統合」を表しているそうです。また、周囲にあしらわれた石やベンチの一つ一つも、その他さまざまな物質を表現しています。

 まさにiCeMSの目指す、新たな「メゾスコピック(物質と生命の境界)」な世界がここに・・・。

2階

 2階には、明るく開放的なラウンジや、セミナー室、展示スペースがあります。


(左)打合せはもちろん、パーティーなどの交流会も頻繁に行われるラウンジ。(中央)外国人研究者も多いため、随所に和のテイストが取り入れられています。(右)大きな窓からは、京の風物詩・大文字の送り火もくっきり望めるそう。


(左)シンポジウムなどが行われるセミナー室。(中央)展示スペースは会議スペースとしても利用できます。(右)スクリーンを降ろせば、小さなスペースごとに区切って利用することもできる機能的なつくり。

 

 本館をあとに、続いてiCeMSの主な研究施設へ潜入します。

iCeMS研究棟

 iCeMSの百万遍近辺の研究施設は、三つの研究棟(iCeMS研究棟・総合研究1号館プロジェクトラボ・総合研究1号館別館)から成ります。それぞれ、共同研究室や開放的なオフィススペースを備え、さまざまな分野のグループが盛んに交流を深めながら学際融合研究を進めています。


iCeMS研究棟外観

1階、2階 研究者室

 1階と2階には、オープンでとても明るい研究者室があります。研究者同士がコミュニケーションをはかりやすくするため、開放的な配置になっています。訪問すると、皆さん挨拶をしてくれる、あたたかい雰囲気です。


(左)オープンで明るいデスク環境。(中央)使用されている家具も、何だか細胞っぽい? (右)取材時にも、複雑な数式だらけの白板を前に、何やら難しそうな話をしている研究者が・・・。

 

 続いて、上階にある本格的なラボに潜入します。

3階

 生化学系、微生物研究を主に行うフロア。培養室などもあるため、中に入ると独特のにおいがします。


(左・中央)扉を開けると、ひんやりとした空気が。(右)ラボ内には、さまざまな薬品や機器が所狭しと置かれています。

4階

 化学系実験室のあるフロア。こちらも研究室ならではの不思議な機械や実験道具がたくさんあります。


(左)明るい雰囲気のラボ。(中央)白衣を身につけ、真剣に実験に取り組む研究者の姿はやっぱり素敵。(右)まるでアートのような不思議な機器も・・・。

 続いて、隣接する総合研究1号館プロジェクトラボに潜入。iCeMS関係者もなかなか入る機会のない施設だそうです。今回は特別に、電子顕微鏡ラボに入らせていただきました。 

総合研究1号館プロジェクトラボ

地下1階(Heuser ラボ)

 ここでは、貴重な「透過型電子顕微鏡」を見せてもらいました。透過型電子顕微鏡は、観察対象に電子線をあて、それを透過してきた電子が作り出す干渉像を拡大して超微細構造を観察する顕微鏡です。

 贅沢なことに、担当の諸根信弘 特定拠点講師のレクチャー付きで見学しました。諸根特定拠点講師は日々、細胞膜の構造解析の研究に取り組んでいます。


(左)暗室に完備されている顕微鏡は、このカーテンの中に。(中央)顕微鏡の仕組みを丁寧に説明してくださった諸根特定拠点講師。(右)「実際に触れてみるのが一番わかりやすいですよ」と、畏れ多いことに実際に操作させてもらいました! 実際に操作すると、その性能の高さにびっくり。

 

 隣の電子顕微鏡ラボには、外国人女性研究者が真剣に研究中。突然の訪問にも関わらず、笑顔を向けてくれました。iCeMSには、女性研究者もたくさん在籍しています。


外国人研究者や女性研究者も多数在籍

 

 滅多に見ることの出来ないiCeMSの内部、いかがでしたか?

 研究者が研究にとことん専念できる設備や、研究者同士のコミュニケーションが活発に行き交う環境、それはまさに世界トップレベル研究拠点にふさわしい充実の研究施設でした。今後も、世界の人をあっと言わせる素晴らしい研究成果が発信されるはず! そう期待に胸膨らませつつ、施設を後にしました。

実は、こんな取り組みもしています!

iCeMSカフェ(アイセムスカフェ)

iCeMSが行っているサイエンスカフェです。iCeMSの主任研究者(PI)と研究室のメンバーが、京町家やカフェへと出かけ、皆さんと同じテーブルに座って、お茶やお菓子を楽しみながらみんなで会話をします。誰でも参加でき、気軽に科学のお話を楽しめます。

この取り組みを企画・運営しているのは、「科学コミュニケーショングループ」のメンバーです。同グループは、研究者が科学コミュニケーション能力を身につけるための教育プログラムの一環としてサイエンスカフェなどの活動を実施しています。これらの活動から「異なる分野の研究者間」、「研究者コミュニティーと社会との間」でのよりよいつながりを探求しています。

  • 本件に関する問い合わせ
  • iCeMS(アイセムス)科学コミュニケーショングループ
    Eメール:science-cafe*icems.kyoto-u.ac.jp (*を@に変えてください)
    FAX:075-753-9785

関連リンク

iCeMS ホームページ
http://www.icems.kyoto-u.ac.jp/j/

iCeMS facebookページ
https://www.facebook.com/Kyoto.Univ.iCeMS

WPIプログラム
http://www.jsps.go.jp/j-toplevel/

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