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京大の「実は!」Vol.5 京都大学のシンボル「時計台の実は!~(2)照明編~」

 夜になると文字盤の灯りが闇に浮かび、昼とはまた違った優美な姿を魅せる、京都大学のシンボル「時計台」。


夜の時計台

 前回Vol.80(2月号)では、百周年時計台記念館(以下、時計台)の時計塔内部をクローズアップしました。その時計を長年修理・点検し続けてきた杉谷ムセンの杉谷鉄夫さんに、メンテナンス(点検・修理)に同行させてもらい、その様子と、これまで長年時計台をみつめてきた主治医だからこそ知る貴重なエピソードのひとつ、「時計を救った、運命のオイルの「実は」。」を紹介しました。

 今回は、「照明」をクローズアップし、時計の文字盤を照らす灯りにまつわるエピソードを紹介するとともに、実はあまり知られていない時計台館内の素敵な照明の数々を紹介します。

当時の灯りを永久に残したい。文字盤の照明に隠された、こだわりの「実は」。

 夜になると、ほのかな灯りで時計の針と文字を照らす照明。


夜の時計台文字盤

文字盤の裏はこうなっています

 この照明にも、「実は」なエピソードがあります。

 2011年には、最先端のLEDに替わっていますが、それ以前は蛍光灯、さらにその前は両口電球でした。

 昔の両口電球は、1000時間しか保たないうえに、切れ方もバラバラでした。点灯時間が短いために、日々どこかの電球が切れるという困った事態が生じていました。毎晩のように電球切れをチェックし、切れている電球を交換する、翌日にはまたどこかが切れる、という堂々巡りだったそうです。それがLEDになって以来、実にメンテナンスが楽になりました。(LEDの耐久時間は4万時間)

 またこのLEDは、当時の色合いを再現するため、製造元と京都大学、そして杉谷さんで試行錯誤した末に完成した特殊なもので、現在でも当時の両口電球に近い色合いを再現して灯っています。


文字盤照明

 ほんのり赤みがかった大正から昭和初期を思わせるこの灯りにも、京都大学としてのこだわりがありました。ちなみに、時計台館内の照明は、時計台の文字盤の灯りとは色合いも微妙に異なるそうです。

時計台内には、実はこんなに素敵な照明があるんです! ~時計台 照明コレクション~

 時計台館内には、時計の文字盤照明以外にも、実はレトロで素敵な照明の数々があることをご存知でしょうか?

 ここでは、一般には非公開の迎賓室(旧総長室)内の照明をはじめ、そのいくつかをご紹介します。

【2階】


(左)迎賓室(旧総長室)の照明。ダイナミックながらも、華奢なあしらいが随所に施された優雅なデザイン。柔らかな色合いもこだわり抜いたもの。天井の両サイドにあるオレンジ色の灯りは、灯りのトーンが徐々に変化します。
(右上)会議室(旧事務局長室)。和の趣を感じられるモダンなデザイン。小ぶりながらも存在感があります。
(右下)国際交流ホール。広いホールを十分に照らす力強さと、上品な清楚感を併せ持つシャンデリア風のデザインです。

【1階】


東側廊下。丸みを帯びたモダンなデザインと淡い灯りが絶妙なバランスで調和しています。(右上・下)よく見ると、交互に色合いが異なる灯りを配置するなど細部にこだわりが見られます。(※色合いの違いがわかるよう暗めに撮影しています)


ホワイエから西側廊下にかけて。八角形のフォルムが特徴的。天井に反射し放射状に広がる灯りのラインが融け込み、館内の優雅な雰囲気を引き立てています。

 照明ひとつをとっても、「実は!」な魅力が詰まった百周年時計台記念館。同館にお越しの際は、この照明にも注目してみてはいかがでしょうか?

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