京都大学とチューリッヒ大学(University of Zurich:UZH)はグローバルに活躍できる起業家とスタートアップのリーダーシップチームを共同で育成する「Global Entrepreneurship Development Joint Program」を設立しました。
両大学は、ライフサイエンスおよびディープテック領域において世界トップクラスの研究力を有しています。しかし、科学的卓越性だけではグローバルなベンチャー創出には直結せず、国境や異文化を越えた起業家能力は、従来の学術プログラムでは十分に培われません。そうした課題から、このたび、日本とスイスのイノベーションエコシステムを連結し、共同で人材を育成するための本プログラムを立ち上げました。
2026年10月6日には駐日スイス大使館にて開催された歓迎レセプションでGlobal Entrepreneurship Development Joint Programに関する発表を行いました。
チューリヒ大学のミヒャエル・シェープマン学長、クリスチャン・シュワルツェネッガー教授も来日され、京都大学からは湊長博 総長特別顧問(国際・渉外担当)、室田浩司 副理事・成長戦略本部長、松行輝昌 成長戦略本部教授が参加し、省庁や企業関係者らの招待者を前に、本プログラムの概要などを説明しました。
シェープマン学長と湊総長特別顧問(国際・渉外担当)は、「両大学は10年以上に及びパートナーシップを築いてきたが、今回の新しいプログラムを力強く発展させていきたい」と決意を語りました。
シュワルツェネッガー教授、室田副理事・本部長、松行教授によるパネルディスカッションでは、プログラムの概要を紹介しました。室田副理事・本部長が「日本の大学やベンチャーキャピタルは慎重で、Comfort Zoneにとどまりがち」と語ると、シュワルツェネッガー教授は「このプログラムを通して、学生がComfort Zoneを飛び出し、将来のグローバルリーダーへと成長することを促していく」と答えるなど、それぞれが本プログラムにかける思いが披露されました。
開会挨拶を務めたロジェ・ドゥバッハ 駐日スイス大使からも「学術からイノベーションへと発展するための新たな連携が生まれることを大変うれしく思う」といった言葉が贈られました。発表後の懇親の時間でも日本、スイス双方の関係者による活発な意見交換が行われました。
プログラムの概要
対象者
両大学から博士課程大学院生を中心とした若手研究者を選抜
対象領域
初期は双方が強みを持つライフサイエンス(細胞治療、再生医療など)に焦点を当て、中長期的には隣接するディープテック領域(医療データサイエンス、AI駆動型医療)などに拡大予定
5か年計画で、両大学の研究科や研究所、あるいは学外のスタートアップ企業と連携しながら各種プログラムを実施します。将来的には、国際的なアントレプレナーシッププログラムとしての社会展開や、グローバルスタートアップの継続的な創出につなげていく計画です。
なお、京都大学とチューリヒ大学は2013 年に大学間学術交流協定、2014 年に大学間学生交流協定を締結して以降活発な学術交流を推進し、2020年に両学長のリーダーシップのもとで戦略的パートナーシップ協定を締結しました。以後、戦略的パートナーとして、分野横断的な研究連携の展開、新しい学術分野での共同研究開拓、若手研究者の派遣促進などの連携を行ってきましたが、今回新たにスタートアップ人材の育成を共同で行うことになります。
本プログラムの実施にあたって、本学の卒業生で連続起業家の千本倖生氏、丹下大 SHIFT代表取締役社長、DMG森精機株式会社をはじめとする多くの方々、企業の皆様にご寄付をいただいています。今後も広くご支援をいただきながら、本プログラムの持続的な発展をめざしていきます。
関連リンク
プレスリリース「京都大学とスイス・チューリッヒ大学によるGlobal Entrepreneurship Development Joint Program設立について」