第1回京都大学-稲盛財団合同京都賞シンポジウムを開催しました。(2014年7月12日・13日)

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百周年時計台記念館において、公益財団法人稲盛財団との共催により、第1回「京都大学-稲盛財団合同京都賞シンポジウム」(KUIP:Kyoto University – Inamori Foundation Joint Kyoto Prize Symposium)を開催しました。

このシンポジウムは、日本が世界に誇る国際賞である京都賞(稲盛財団主催)の分野を対象に、最先端または現在注目される研究者や芸術家を迎えて開催するもので、講演などを通じて、さまざまな出会いが生まれ、各分野の新たな発展へと繋がる場を提供するとともに、次世代の研究者の育成や、最先端の学術・芸術の動向や魅力を広く社会に発信することを目的とするものです。

第1回目となる本年は、一般市民、学生、研究者など2日間合わせて約700名の参加者のもと、「人類の叡智の最前線 -生命科学、思想・倫理、情報科学の共振-」を統一テーマに、それぞれの分野における20名の世界的トップランナーが、学術界と社会の双方から注目されているテーマについて語りました。

熱気あふれる2日間は、初日のオープニングセッションにおいて行われた、松本紘 総長および稲盛和夫 稲盛財団理事長の挨拶で幕を開けました。続いて、皮切りとなる生命科学分野「生命科学のフロンティア」では、竹市雅俊 理化学研究所発生・再生科学研究センター長、ロナルド・エヴァンス ソーク研究所教授、ロバート・ワインバーグ ホワイトヘッド研究所主席研究員が登壇、その後、思想・倫理分野「思想のフロンティア」では、オーギュスタン・ベルク フランス国立社会科学高等研究院元研究院長、木村敏 名誉教授、アラステア・キャンベル シンガポール国立大学生命医療倫理学センター長、情報科学分野「深層学習とウェアラブル・コンピューティング: その接点を探る」では、アレックス・サンディ・ペントランド マサチューセッツ工科大学教授、金出武雄 カーネギーメロン大学教授、ヤン ・ルカン フェイスブック人工知能研究所長、の合計9人が最先端の研究内容を講演し、集まった約450人の聴講者は熱心に聞き入りました。

2日目は、3分野それぞれのワークショップが分野別に開催され、20人の講師による講演と熱い議論が交わされました。

生命科学分野では、セッション1「健康を維持し、病を防ぐ仕組みを解き明かす -分子レベルから個体まで-」において、長田重一 医学研究科教授、稲葉カヨ 副学長、審良静男 大阪大学教授、エヴァンス教授、セッション2「脳・発生・癌、そしてシステム生物学 -賢人たちの声を聴け-」において、宮下保司 東京大学教授、柳田敏雄 大阪大学特任教授、竹市センター長、ワインバーグ主席研究員が登壇されました。

思想・倫理分野では、セッション1「生命倫理の未来 -アジアから世界へ」において、キャンベルセンター長、加藤尚武 名誉教授、清水哲郎 東京大学特任教授、セッション2「京都学派の現代における意義と可能性 -生命・環境・科学を中心に-」において、木村名誉教授、ベルク元研究院長、小林道夫 名誉教授が登壇されました。

情報科学分野では、セッション1「深層学習がパターン理解を変える」において、ルカン所長、河原達也 学術情報メディアセンター教授、原田達也 東京大学教授、セッション2「人と機械の共進化が始まる」において、金出教授、石黒浩 大阪大学特別教授、ペントランド教授が登壇されました。

締め括りであるクロージングセッションでは、それぞれの分野を代表して、エヴァンス教授、思想・倫理分野で通訳を担当された有馬斉 横浜市立大学准教授、情報科学分野のシンポジウム企画部門分野担当リーダーである石田亨 情報学研究科教授が登壇し、各セッションの報告を行い、シンポジウムは盛会のうちに終了しました。

聴講者からは、「専門分野外でしたが、大変面白く聞きました。」、「(それぞれのセッションは)どれも聞きたくてとても迷いました。」、「このような素晴らしい企画が継続されることを期待します。」、「各分野の最先端で活躍している方のお話しを直接聴くことができ、内容も申し分ないものでした。」などの感想が寄せられました。


左から、ペントランド教授、エヴァンス教授、ベルク元研究院長

初日の会場の様子

集合写真