研究成果

離合集散する分子の波が生み出す力を計測 -形状や性質が自律変化する材料開発に期待-


2020年07月21日


     浜地格 工学研究科教授、窪田亮 同助教、市川正敏 理学研究科講師、田中求 高等研究院特任教授らの研究グループは、人工超分子からなるファイバーの進行波の発生に成功し、その波が生み出す力を世界で初めて精密計測しました。

     細胞内では、細胞骨格と呼ばれる自己組織化したタンパク質の繊維の離合集散が波のような動的パターンを作り出すことで、細胞が動くための力を生み出します。こうした運動パターンを人工分子で真似することができれば、形や性質が自律変化する新たな材料の開発につながると期待されます。しかし、人工分子で細胞骨格のような動的パターンを再現する方法は、これまで知られていませんでした。

     今回、本研究グループは、人工超分子のファイバー形成と分解を制御することでファイバーの波を発生させる化学反応システムを開発しました。また、この波がビーズを押し出す様子を最先端の顕微鏡で観察することで、波が生み出す力の計測を行いました。今後は、人工波をゲルのような材料と組み合わせることで、力により形成や性質が自律変化する材料の開発が期待できます。

     本研究成果は、2020年7月15日に、国際学術誌「Nature Communications」に掲載されました。

    図:本研究の概要図

    詳しい研究内容について

    書誌情報

    【DOI】 https://doi.org/10.1038/s41467-020-17394-z

    【KURENAIアクセスURL】http://hdl.handle.net/2433/252813

    Ryou Kubota, Masahiro Makuta, Ryo Suzuki, Masatoshi Ichikawa, Motomu Tanaka & Itaru Hamachi (2020). Force generation by a propagating wave of supramolecular nanofibers. Nature Communications, 11:3541.


    離合集散する分子の波が生み出す力を計測 -形状や性質が自律変化する材料開発に期待-
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