在日ベトナム人向け心の支援アプリ開発―相談員連携の実施可能性を検討―

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研究者情報

概要

 京都大学大学院医学研究科の山下正准教授(研究当時:神戸市看護大学)らは、日本在住のベトナム人が母語でこころの状態を確認し、相談員につながるアプリ「Kobe Cứu(コウベ・クー)」を開発・試行しました。アプリには、抑うつ・不安症状のセルフチェック、チャット相談、健康情報の提供機能があります。3か月間の試験には14人が参加し、介入群7人全員がセルフチェックを利用しました(実施回数の中央値は4回、範囲2から13回)。3か月後の質問票は介入群4人(57.1%)、対照群5人(71.4%)から回収され、介入群の回答者4人による受容性評価はおおむね肯定的でした。一方、参加者は目標134人の10.4%にとどまり、アプリの有効性について結論を出すことはできませんでした。今回の結果は、参加者募集や利用継続を含む実施可能性の課題を示しています。今後は、ベトナム人コミュニティや支援団体と連携し、必要な支援につながりやすい仕組みを検討します。本研究成果は2026年10月28日、Elsevier発行の国際学術誌「Mental Health & Prevention」にオンライン先行公開されました。

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ベトナム語によるセルフチェックと相談員のチャット支援を組み合わせたアプリ「Kobe Cứu」の模式図(実際の画面とは異なります)。
作成:山下正。画像生成:OpenAI ChatGPT Images 2.5。

研究者のコメント

「母語でこころの健康を確認し、必要なときに相談できる選択肢を増やしたいという思いで、今回のアプリを開発しました。予定した人数を集められず、有効性の検証には至りませんでしたが、利用者の反応や継続利用の難しさを具体的に把握できました。今回の経験を出発点として、当事者や支援者とともに、必要な人に届き、安心して使い続けられる仕組みへと改善していきたいと考えています。」(山下正)

書誌情報

【DOI】
https://doi.org/10.1016/j.mhp.2026.200585

【書誌情報】
Tadashi Yamashita, Masako Yamada, Yasuko Nishimura, Chika Yamada, Pham Nguyen Quy, Osamu Katayama, Minato Nakazawa (2026). A counselor-linked Vietnamese-language mental health app for Vietnamese residents in Japan: Feasibility findings from a discontinued efficacy trial. Mental Health & Prevention, 44, 200585.