全世代における斜視手術の予後を解明―1万人超の全国患者データから判明―

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研究者情報

概要

 京都大学大学院医学研究科 亀井拓郎大学院生、宮田 学同講師、三宅正裕同特定講師、辻川明孝同教授、京都大学国際高等教育院 田村 寛教授らの研究グループは、2011年から2020年の日本国内における斜視手術の実態と再手術リスクを調査しました。斜視手術は主に小児に行われますが、超高齢社会における全世代の手術需要や長期予後の客観的指標は不足していました。本研究では、匿名医療保険等関連情報データベース(NDB)を用いて116,059人の手術患者を解析しました。その結果、手術患者数は5歳から9歳に最大の山がある一方、70歳から74歳にも第2のピークがあることが判明しました。全体の再手術率は1年で4.0%、3年で7.4%と低く、小児で最も低い一方、加齢に伴い上昇していました。病型別では高齢者に多い上下回旋斜視の3年再手術率が12.1%と最も高い値を示しました。当グループが先行研究で証明した重篤な合併症の極めて低い発生率と合わせ、斜視手術の安全性と有効性を裏付ける本成果は、全世代の患者が安心して治療を選択するための重要な指標となります。本研究成果は、2026年10月11日に英国の国際学術誌「British Journal of Ophthalmology」にオンライン掲載されました。

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研究者のコメント

「斜視手術を考えている子供やその親御さん、物が二重に見えて困っている大人から『手術は怖くないか、すぐ元に戻らないか』とよく相談を受けます。今回の11万人超の患者データと、以前行った斜視の重篤な合併症の全国調査の結果から、日本の斜視手術は極めて安全で、9割以上は1回の手術で安定することが証明されました。複視や視線のズレは年齢を問わず手術ができます。この結果が、治療に一歩踏み出す安心材料になれば幸いです。」(宮田学)