ターゲット
公開日
研究者情報
研究者名
阪本 駿太
研究者名
森 直樹
概要
京都大学大学院農学研究科 阪本駿太博士後期課程学生(研究当時、現:研究員)、森直樹教授らのグループは、かつて、世界三大穀物であるイネから非タンパク質性アミノ酸である(R)-β-チロシンとその生合成酵素チロシンアミノムターゼ(TAM)を同定しました。(R)-β-チロシンは双子葉植物の生育を強く阻害するため、TAM・(R)-β-チロシンは作物の雑草抵抗性の強化に応用できる可能性があります。しかし、イネ以外の植物におけるTAM・(R)-β-チロシンの系統的分布は未解明でした。そこで同グループは、重要な穀物を多く含むイネ科を対象に、植物22種を分析した結果、新たにエンバクとトウモロコシから(R)-β-チロシンを同定しました。さらに、トウモロコシから生合成酵素TAMを同定し、イネ科植物のTAMがフェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)と呼ばれる酵素から進化したことも明らかにしました。また、同グループは、トウモロコシが根に蓄積する濃度の(R)-β-チロシンが、イネ科作物の栽培に甚大な被害を及ぼす寄生雑草ストライガに対して、生育阻害活性をもつことも示しました。本研究成果は、2026年7月21日に英国の国際学術誌「The Plant Journal」にオンライン掲載され、表紙とResearch Highlightにも選出されました。
画像
イネ科植物のTAMは単機能性PALから進化したことがわかった。また、(R)-β-チロシンがイネ科作物栽培に甚大な被害を与える寄生雑草ストライガに対して生育阻害活性を示した。本図は、https://BioRender.comを用いて作成した。(作成者:阪本駿太)
研究者のコメント
「決してPALの専門家ではなかった我々が、イネ・トウモロコシにおける(R)-β-チロシンの同定をきっかけとして、植物の重要酵素であるPALの進化に重要な知見をもたらすことができた点に、研究の面白さを感じると同時に、『畑違いの人が新たな発見をする』とはこの事かと、身をもって体感しました。」(阪本駿太)
詳しい研究内容について
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