スリープヘルスと抑うつ状態の関連―CPAP治療中の閉塞性睡眠時無呼吸患者の調査―

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 降籏隆二 学生総合支援機構准教授、石見拓 医学研究科教授、赤星俊樹 慶真記念会新宿睡眠・呼吸器内科クリニック理事長(兼:日本大学臨床准教授)らの研究グループは、閉塞性睡眠時無呼吸(obstructive sleep apnea: OSA)のため持続陽圧呼吸療法(continuous positive airway pressure: CPAP)を受けている患者のデータを分析し、スリープヘルス(睡眠健康)と抑うつ状態の関連を検討しました。

 調査対象者はCPAP治療中のOSA患者で、自記式質問票による睡眠と抑うつ症状、CPAP治療データを解析しました。スリープヘルスは、満足度、覚醒度、タイミング、効率、睡眠時間の5つの次元について「良い」「悪い」に区分しました。「悪い」項目を合計してスリープヘルス総合評価を算出しました。抑うつ状態は、患者健康調査票(PHQ-2)で評価しました。満足度、効率、睡眠時間が悪いことは抑うつ状態と有意に関連し、スリープヘルス総合評価は、抑うつ状態と相加的に有意な関連を示しました。

 スリープヘルスの評価がOSA患者の抑うつ状態の予防や治療に有用であることが示唆されました。

 本研究成果は、2024年5月25日に、国際学術誌「Sleep Medicine」にオンライン掲載されました。

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研究概念図
研究者のコメント

「閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は日本における有病率が10~20%程度と推定され、高頻度にみられる疾患です。持続陽圧呼吸療法(CPAP)は日中の機能障害にも有効ですが、改善しない抑うつ症状も大きな問題と考えられています。本研究で得られたスリープヘルスの知見を基に、患者のQOLの向上をもたらす新しい治療アプローチの開発につながることを願っています。」(降籏隆二)