炭化水素産生藻類ボトリオコッカスの「衣」にドリルで穴をあけて住み着く共生細菌の発見―藻類屋外大量培養と藻類ブルーム制御の鍵となる可能性―

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 岡崎友輔 化学研究所助教、田辺雄彦 国立環境研究所客員研究員(研究当時:筑波大学主任研究員)らの研究グループは、緑藻の一種ボトリオコッカス・ブラウニー(Botryococcus braunii)の分離株から、ボトリオコッカスの「衣」に相当する細胞外マトリクス(多糖などから構成される細胞外層)にドリル運動で穴をあけて住み着くという、ユニークな運動・生態を示す螺旋(らせん)細菌を発見しました。

 本研究では、この新奇な共生細菌を新種記載するとともに、ゲノム解析、電子顕微鏡観察、培養実験等により、この共生細菌を含む近縁種が、多様な藻類がつくる「藻類ブルーム」に普遍的に存在することを明らかにし、藻類の大量増殖を制御する可能性を示しました。

 本研究成果は、2023年3月11日に、「ISME Communications」に掲載されました。

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今回発見した螺旋状の共生細菌はボトリオコッカスのコロニーを取り巻くように付着
研究者情報
書誌情報

【DOI】
https://doi.org/10.1038/s43705-023-00228-6

【KURENAIアクセスURL】
http://hdl.handle.net/2433/281523

【書誌情報】
Yuuhiko Tanabe, Haruyo Yamaguchi, Masaki Yoshida, Atsushi Kai, Yusuke Okazaki (2023). Characterization of a bloom-associated alphaproteobacterial lineage, ‘Candidatus Phycosocius’: insights into freshwater algal-bacterial interactions. ISME Communications, 3:20.

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