社会インフラの維持管理システムの社会実装―持続可能でレジリエンスな社会を目指して―

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 道路・トンネル、河川施設、上・下水道、エネルギー・通信などの社会インフラは、近い将来に劣化損傷が増大するとともに、クライメ-トチェンジによって頻発する自然災害が機能不全を引き起こすなど、多くの社会課題が予想されます。そのため、社会インフラが担っている、持続的に経済活動を維持しかつ国民生活の安全を守ることに危機感を覚えます。

 その解決のためには、社会インフラにおいて計測したデジタルデータを用いて状態を診断するとともに、将来の劣化損傷を予知し、災害時をシミュレートする予測技術を持った、発展的かつ強靭な社会インフラの維持管理システムの実現が必要不可欠です。さらに、社会インフラ管理のデジタルデータは、高度流通システム、自動運転システムなどの他の社会システムとデータを共有し、大胆な「パラダイムシフト」によって現存する社会課題の解決につながることを目指しています。

 杉浦邦征 工学研究科教授、金哲佑 同教授、五井良直 同助教、髙瀬和男 地球環境学堂客員教授、河邊大剛 同研究員らの研究グループは、その第1段階として、橋梁などの道路構造物における計測データによる構造物の機能異常を検知する技術を開発し、社会実装化を進めています。さらに、法定点検時に収集した写真や目視調査結果などのアナログ情報も活用した構造物の寿命診断、さらには防災シミュレーションとも連携した「予測診断保全技術による社会システム」の構築を目指し、維持管理技術における「デジタルシフト」を図ります。

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