DAST技術の独自展開によりバイオケミカル分野への幅広い応用を期待―微量液滴間の接触によりヒスタミン供給量を調整し液滴内の細胞カルシウム振動の変化を初実証―

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 樋口ゆり子 薬学研究科准教授、小西聡 立命館大学教授、玉寄あすか 同博士課程前期課程修了生らの研究チームは、Hela細胞が入った数マイクロリットルの微量液滴に別の液滴を上側から接触させ、ピペットを用いないで異なる量のヒスタミンを供給し、供給したヒスタミン量の違いより、誘導される細胞のカルシウム振動現象強度に違いが出ることを実証しました。

 本研究成果は、2022年7月26日に、「Sensors and Actuators: B. Chemical」オンライン版に掲載されました。

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図:生化学アッセイの従来ツールを液滴で代替し、大量の微量液滴によるハイスループット技術へ

研究者のコメント

「異なる濃度の化合物を含む数マイクロリットルの液滴を基盤上に並べて準備することができます。さらに、別の基盤上に同様に並んだ液滴の底面に細胞を培養すれば、2枚の基板を合わせることで異なる濃度の化合物を細胞に作用させることができます。この技術は、医薬品候補化合物のスクリーニングや毒性評価において、僅かな量の化合物での評価、ピペット操作が不要なので作業のスピードアップが期待できます。」(樋口ゆり子)

研究者情報
書誌情報

【DOI】
https://doi.org/10.1016/j.snb.2022.132435

【KURENAIアクセスURL】
http://hdl.handle.net/2433/275865

【書誌情報】
Satoshi Konishi, Yuriko Higuchi, Asuka Tamayori (2022). Cellular calcium oscillations in droplets with different chemical concentrations supplied by droplet-array sandwiching technology. Sensors and Actuators B: Chemical, 370:132435.