血管減少による真皮の硬化が表皮幹細胞の加齢変容を誘導する―皮膚老化メカニズムの一端を解明―

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 一條遼 医生物学研究所助教、豊島文子 同教授らの研究グループは、マウスを用いて皮膚老化の新規メカニズムの一端を解明しました。

 皮膚は外界から体内を守るバリアとして機能する重要な組織です。皮膚のバリア機能の維持には表皮の新陳代謝が必須であり、これには表皮幹細胞の増殖と分化の制御機構が要となります。加齢によって表皮幹細胞の機能は低下しますが、その原因はよく分かっていません。本研究では、生体イメージング、1細胞解析技術、遺伝子改変マウスを用いて、加齢による真皮の硬化が表皮幹細胞の機能低下の一端となること、さらに真皮の硬化は体表血管の減少によって誘導されることを明らかにしました。本研究の成果は今後のアンチエイジング技術の開発に貢献すると考えられます。

 本研究成果は、2022年7月11日に、国際学術誌「Nature Aging」にオンライン掲載されました。

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図:皮膚の老化機構

研究者のコメント

「本研究では、生物学・工学・情報学の研究手法を融合させることにより、新しい老化メカニズムを解明することができました。多くの異分野の研究者から技術を学び、互いに時間をかけて理解しあうことで、オリジナリティーの高い研究成果が得られたと思います。本研究の成果が高齢者の創傷治癒能力の改善などに役立つことを期待しています。」(一條遼)

書誌情報

【DOI】
https://doi.org/10.1038/s43587-022-00244-6

【書誌情報】
Ryo Ichijo, Koichiro Maki, Mio Kabata, Teruasa Murata, Arata Nagasaka, Seiichiro Ishihara, Hisashi Haga, Tetsuya Honda, Taiji Adachi, Takuya Yamamoto, Fumiko Toyoshima (2022). Vasculature atrophy causes a stiffened microenvironment that augments epidermal stem cell differentiation in aged skin. Nature Aging.

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