巨大タンパク質複合体による概日リズム制御 -小角散乱と計算科学の統合アプローチ-

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 杉山正明 複合原子力科学研究所教授、柚木康弘 同研究員、加藤晃一 自然科学研究機構教授、矢木宏和 名古屋市立大学准教授、 河野秀俊 量子科学技術研究開発機構グループリーダー、松本淳 同主幹研究員、Lionel Porcar 仏・ラウエ・ランジュバン研究所博士、Anne Martel 同博士らの研究グループは、中性子・X線小角散乱をはじめとした複数の実験データと計算機によるモデリングおよびシミュレーション技法を統合した解析手法で、時計タンパク質が振動周期中で形成する24個もの分子からなる巨大複合体の全長構造とダイナミクスの解析に成功し、この巨大複合体が概日リズムを制御する仕組みの一端を明らかにしました。

 本研究は実験科学と計算科学の発展と統合によって、X線結晶構造解析や低温電子顕微鏡といった既存の構造生物学手法では困難であった揺らぎを含む巨大タンパク質複合体の構造を明らかにしました。この統合解析手法は同様の巨大複合体に適用することで生命科学に新たな知見をもたらすと期待されています。

 本研究成果は、2022年3月10日に、国際学術誌「Communications Biology」にオンライン掲載されました。

本研究の概要図
図:本研究の概要図
研究者情報
研究者名
柚木康弘
書誌情報

【DOI】https://doi.org/10.1038/s42003-022-03143-z

【KURENAIアクセスURL】http://hdl.handle.net/2433/268868

Yasuhiro Yunoki, Atsushi Matsumoto, Ken Morishima, Anne Martel, Lionel Porcar, Nobuhiro Sato, Rina Yogo, Taiki Tominaga, Rintaro Inoue, Maho Yagi-Utsumi, Aya Okuda, Masahiro Shimizu, Reiko Urade, Kazuki Terauchi, Hidetoshi Kono, Hirokazu Yagi, Koichi Kato, Masaaki Sugiyama (2022). Overall structure of fully assembled cyanobacterial KaiABC circadian clock complex by an integrated experimental-computational approach. Communications Biology, 5:184.