メラトニン受容体のシグナル伝達複合体の構造を解明 -睡眠や概日リズムの構造基盤の理解と睡眠薬の開発に貢献-

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 岩田想 医学研究科教授、野村紀通 同准教授、岡本紘幸 東京大学博士課程学生、西澤知宏 同准教授(現・横浜市立大学大学教授)、濡木理 同教授、井上飛鳥 東北大学准教授、寿野良二 関西医科大学講師、清水(小林)拓也 同教授の研究グループは、睡眠薬ラメルテオンとGiタンパク質三量体が結合したメラトニン受容体MT1のシグナル伝達複合体の立体構造を解明することに成功しました。

 受容体の活性化に重要なラメルテオンとの相互作用を特定しました。さらに、他のシグナル伝達複合体との構造比較から、Gタンパク質の共役選択性を特徴づける受容体の細胞内側の空間的な特徴を見出しました。

 本研究は、メラトニン受容体を標的とする創薬開発に貢献するとともに、GPCRのシグナル伝達の初発段階であるGタンパク質共役選択性の理解につながります。

 本研究成果は、2021年8月6日に、国際学術誌「Nature Structural and Molecular Biology」に掲載されました。

メラトニン受容体MT1-Giシグナル伝達複合体の全体構造

図:メラトニン受容体MT1-Giシグナル伝達複合体の全体構造

書誌情報

【DOI】https://doi.org/10.1038/s41594-021-00634-1

Hiroyuki H. Okamoto, Hirotake Miyauchi, Asuka Inoue, Francesco Raimondi, Hirokazu Tsujimoto, Tsukasa Kusakizako, Wataru Shihoya, Keitaro Yamashita, Ryoji Suno, Norimichi Nomura, Takuya Kobayashi, So Iwata, Tomohiro Nishizawa, Osamu Nureki (2021). Cryo-EM structure of the human MT₁–Gi signaling complex. Nature Structural & Molecular Biology.