色素性母斑に対する皮膚再生臨床試験が終了 -高圧殺細胞装置の医師主導治験へ-

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 森本尚樹 医学研究科教授、山岡哲二 国立循環器病研究センター研究所部長らの研究グループは、先天性巨大色素性母斑に対する世界初の皮膚再生治療を実施し、皮膚の再生が可能で、母斑の再発も無いことを確認しました。

 先天性巨大色素性母斑は産まれた時から大きな色素性母斑が存在する疾患で、放置すると数%程度に皮膚の癌が発生します。患者自身の表皮を培養して何百倍にも増やす自家培養表皮が2016年に保険適用されましたが、真皮がない創(きず)への生着率は不良でした。本研究グループは、高圧処理により母斑組織中の全細胞を死滅させた母斑組織そのもので真皮を再建する新規治療法「完全皮膚リサイクル治療法」を開発し(図)、2016年から2019年にかけて10例の患者を対象に臨床研究を実施しました。本治療法は皮膚悪性腫瘍や皮膚以外の組織にも応用可能であると期待されます。本治療法で用いる高圧殺細胞装置の医療機器承認、保険収載を目的とした医師主導治験を2021年7月に開始する予定です。

 本研究成果は、2021年6月30日に、国際学術誌「Plastic and Reconstructive Surgery」のオンライン版に掲載されました。

本治療法の概念図、高圧処理によって母斑組織を殺細胞処理し、真皮再生に用います
図:本治療法の概念図、高圧処理によって母斑組織を殺細胞処理し、真皮再生に用います

詳しい研究内容について

研究者情報
書誌情報

【DOI】https://doi.org/10.1097/PRS.0000000000008084

Morimoto Naoki, Mitsui Toshihito, Sakamoto Michiharu, Mahara Atsushi, Yoshimura Kenichi, Arata Jun, Jinno Chizuru, Kakudo Natsuko, Kusumoto Kenji, Yamaoka Tetsuji (2021). A Novel Treatment for Giant Congenital Melanocytic Nevi Combining Inactivated Autologous Nevus Tissue by High Hydrostatic Pressure and a Cultured Epidermal Autograft: First-in-Human, Open, Prospective Clinical Trial. Plastic & Reconstructive Surgery, 148(1), 71e-76e.

メディア掲載情報

京都新聞(7月1日 29面)、日刊工業新聞(7月1日 21面)、中日新聞(7月5日 6面)および毎日新聞(7月6日 21面)に掲載されました。