がん細胞が免疫から逃れるメカニズムの解明 -がん細胞と血管内皮細胞との細胞間相互作用-

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 松田道行 生命科学研究科教授、寺井健太 医学研究科准教授、小西義延 同研究員(現・ダナファーバーがん研究所研究員)らの研究グループは、がん細胞から放出され免疫の働きを抑制するプロスタグランジンE2(PGE2)に着目し、その放出を制御するメカニズムの解明を試みました。二光子顕微鏡を用いてマウス生体内のがん細胞を観察し、カルシウム応答がPGE2放出の誘因であることを見出しました。さらに、このカルシウム応答は血管内皮細胞増殖因子の刺激に応じて血管内皮細胞から分泌されるトロンボキサンA2が腫瘍細胞に働くためであることを見出しました。

 本研究成果は抗血栓薬の有する抗腫瘍効果の分子基盤を明らかにするとともに、腫瘍微小環境を標的とする新規がん免疫療法の開発につながると期待されます。今後は、この治療で恩恵を受ける患者さんを選抜しうるバイオマーカー探索に尽力したいと考えています。

 本研究成果は、2021年5月25日に、国際学術誌「Cancer Research」のオンライン版に掲載されました。

本研究の概要図
図:本研究の概要図