水素製造に太陽光エネルギーを活用 -エタノールから水素を獲得し水素ガスを発生する有機化合物を開発-

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 村上正浩 工学研究科教授、石田直樹 同講師、釜江祥希 同修士課程学生、上農悠花 同修士課程学生、成瀬啓司 工学部生、石津啓伍 同学部生(研究当時)らの研究グループは、太陽光のエネルギーを駆動力として利用する持続可能な水素製造法および水素化手法を開発しました。

 水素(H2)はクリーンな次世代のエネルギー源として期待されているほか、医薬品や香料の合成にも用いられています。市販されている水素の90%以上は化石資源を原料として合成されていますが、持続可能性の観点から、再生可能な資源を利用する技術へと置き換えることが求められています。例えば、エタノールはバイオマスの発酵によって作られる再生可能な資源です。今回の研究では、水素キャリアとして働く有機化合物を開発しました。この水素キャリアは、太陽光のエネルギーを駆動力として、エタノールを水素源として利用して合成・再生できます。この水素キャリアを用いることにより、水素を製造したり、有機化合物を水素化することができます。本手法は持続可能な水素製造法および水素化手法として期待されます。

 本研究成果は、2021年1月29日に、国際学術誌「Journal of the American Chemical Society」のオンライン版に掲載され、同誌の「Spotlights」に選ばれました。

本研究の概要図
図:本研究の概要図
書誌情報

【DOI】 https://doi.org/10.1021/jacs.0c13332

Naoki Ishida, Yoshiki Kamae, Keigo Ishizu, Yuka Kamino, Hiroshi Naruse, and Masahiro Murakami (2021). Sustainable System for Hydrogenation Exploiting Energy Derived from Solar Light. Journal of the American Chemical Society, 143(5), 2217-2220.