光子の量子もつれ状態検証の、著しい効率化に成功 -量子センシング、量子通信装置の長距離化に貢献-

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竹内繁樹 工学研究科 教授、岡本亮 同准教授、清原孝行 同博士課程学生(研究当時)、山城直毅 同修士課程学生(研究当時)、荒木裕貴 工学部生(研究当時)らの研究グループは、Holger F. Hofmann 広島大学教授らの研究グループと共同で、光子の量子もつれ状態を、従来に比べて著しく高い効率で検証する方法の実証に、構築した6つの光子間量子ゲートを含む光量子回路を用いて成功しました。

電子や光子などの量子は、通常の物体とは異なった振る舞いをします。その量子の個々の振る舞いや相関(量子もつれ)を制御することで、飛躍的な計算能力を実現する量子コンピューターや、盗聴不可能な暗号を実現する量子暗号、さらに、従来の計測技術の限界を超える量子センシングなど、「量子技術」の研究が精力的に進められています。その中でも、光子は、長距離伝送が可能で、また室温でも量子状態が保存されるため、有力な担体です。

今回実現した方法は、光子の量子もつれ状態が大規模化しても高い効率を保てることから、光量子コンピューターや、量子暗号の長距離化、また光量子センシングなどにブレークスルーをもたらすものです。

本研究成果は、2020年10月29日に、国際学術誌「Optica」に掲載されました。

図:実現した、光子の量子もつれ状態検証方法のイメージ図

詳しい研究内容について

書誌情報

【DOI】 https://doi.org/10.1364/OPTICA.397943

Takayuki Kiyohara, Naoki Yamashiro, Ryo Okamoto, Hirotaka Araki, Jun-Yi Wu, Holger F. Hofmann, and Shigeki Takeuchi (2020). Direct and efficient verification of entanglement between two multimode–multiphoton systems. Optica, 7(11), 1517-1523.