生活習慣病に睡眠時無呼吸症候群がひそむことを解明 -アジア最大資料数のながはまコホートより-

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松本健 医学研究科 客員研究員、松田文彦 同教授、陳和夫 同特定教授らの研究グループは、ながはまコホート事業において、肥満と生活習慣病がどのように睡眠時無呼吸症候群(SAS)と関連するかをアジア最大(世界第2の規模)の7713人の参加者において検討した結果、肥満がなくても生活習慣病があれば 中等症以上のSASに注意する必要があることを明らかにしました

睡眠時無呼吸の程度は、正常範囲内が41%、軽症が47%、中等症が10%、重症が2%でしたが、高齢・肥満になるほど高くなりました。また、肥満がなくても生活習慣病があると中等症以上のSASの頻度が上昇しました(高血圧ありで2.3倍、糖尿病ありで1.5倍、脂質異常症ありで1.5倍、メタボリック症候群ありで2.2倍)。

肥満も生活習慣病もない人、生活習慣病だけある人、肥満だけある人、肥満も生活習慣病もある人の順に、治療が必要となるSASの頻度が高くなりました。これまで肥満がとりわけSASとの関連において注目されていましたが、肥満がなくても生活習慣病があれば中等症以上のSASに注意する必要があることがわかりました。

本研究成果は、2020年5月13日に、国際学術誌「European Respiratory Journal」にオンライン版に掲載されました。

図:本研究の概要図

詳しい研究内容について

書誌情報

【DOI】 https://doi.org/10.1183/13993003.02251-2019

【KURENAIアクセスURL】 http://hdl.handle.net/2433/250953

Takeshi Matsumoto, Kimihiko Murase, Yasuharu Tabara, Takuma Minami, Osamu Kanai, Hirofumi Takeyama, Naomi Takahashi, Satoshi Hamada, Kiminobu Tanizawa, Tomoko Wakamura, Naoko Komenami, Kazuya Setoh, Takahisa Kawaguchi, Takanobu Tsutsumi, Satoshi Morita, Yoshimitsu Takahashi, Takeo Nakayama, Toyohiro Hirai, Fumihiko Matsuda, Kazuo Chin (2020). Sleep disordered breathing and metabolic comorbidities across gender and menopausal status in East Asians; the Nagahama Study. European Respiratory Journal, 56(2):1902251.

  • 朝日新聞(5月18日夕刊 6面)、京都新聞(5月15日 22面)、産経新聞(5月14日)および読売新聞(5月15日)に掲載されました。