ディープラーニングにより精度97%で気温の上下を推定する手法を開発 -疑似カラー画像による効率的な自動識別-

ターゲット
公開日

伊勢武史 フィールド科学教育研究センター准教授と大庭ゆりか 同特定助教は、過去の気温データから生成した疑似カラー画像をディープラーニングで学習させるという新発想により、シンプルな作業を小型のコンピュータで実行するだけで、10年間の平均気温の上下を最大精度97.0%で推定できる手法を開発しました。

これまで、気候変動の予測はスーパーコンピュータを用いた物理計算が主流でしたが、それは大型の国家プロジェクト級の予算とマンパワーを必要としていました。

従来の「ボトムアップ(物理)型」研究とは異なる「トップダウン(統計)型」研究の有効性が実証されたことにより、気候変動予測の高精度化が可能になることに加え、さまざまな学術研究や将来予測に人工知能が活用できることが示唆されます。

本研究成果は、2019年4月26日以降に、国際学術誌「Frontiers in Robotics and AI」のオンライン版に掲載される予定です。

図:本研究の概要図

詳しい研究内容について

書誌情報

【DOI】 https://doi.org/10.3389/frobt.2019.00032

【KURENAIアクセスURL】 http://hdl.handle.net/2433/241058

Takeshi Ise and Yurika Oba (2019). Forecasting Climatic Trends Using Neural Networks: An Experimental Study Using Global Historical Data. Frontiers in Robotics and AI, 6:32.

  • 日刊工業新聞(4月26日 29面)に掲載されました。