2026年10月4日、関芳弘 文部科学大臣が京都大学を訪問し、iPS細胞研究所(CiRA)および高等研究院 物質―細胞統合システム拠点(iCeMS)を視察されました。
視察に先立ち京都国際会館で設けられた懇談の場では、立川康人 総長から国際卓越研究大学としての研究力強化に向けた京都大学の研究等体制強化計画の概要が説明され、関大臣からは今後の国際卓越研究大学としての京都大学の活動に対する期待が伝えられました。
その後、関大臣一行はCiRAを視察しました。江藤浩之 CiRA所長、長船健二 同副所長、髙島康弘 同副所長、濵﨑洋子 同副所長、山中伸弥 同名誉所長兼京都大学iPS細胞研究財団(iPS財団)理事長、花谷忠昭 同財団業務執行理事らと、CiRAおよびiPS財団の概要やiPS細胞を用いた再生医療等製品※1について意見交換が行われました。続いて関大臣は江藤所長の案内の下で館内を視察し、髙島研究室の顕微鏡でiPS細胞2.0※2やそれから分化した心筋細胞を観察したほか、原田直樹 同共通機器管理室長からiPS細胞等の特性評価や分析に用いる最新の研究機器について説明を受けました。
次に、関大臣はiCeMSを視察しました。上杉志成 iCeMS拠点長からiCeMSの研究概要や組織的な取り組みについて説明を受け、最先端の研究現場を見学して研究者らと意見を交わしました。上杉拠点長からは、iCeMS設立時からの基本理念である「化学」と「細胞生物学」の融合と両分野をつなぐ鍵となる概念「自己集合」を軸とした研究のほか、研究成果を人や地球環境が抱える課題の解決につなげる取り組みとして、これまでに13社のスタートアップを創出した実績、海外機関と共同運営する「On-site Laboratory」の展開、多様な研究者や学生などの人材を世界から獲得する取り組み、研究者が基礎研究に専念できる研究支援体制の整備や世界トップレベルの研究水準の維持・向上に向けた取り組みなどが紹介されました。続いて樋口雅一 同特定拠点准教授の案内により研究施設を見学し、北川進 高等研究院特別教授らが研究を進めてきた多孔性金属錯体(MOF)の解析に不可欠なガス吸着装置や固体NMR、MOFを利用したIoT対応の次世代高圧ガス容器などを視察しました。最後の意見交換では、異分野の融合から新たな着想を生み出す研究環境や、スタートアップを通じ基礎研究の成果を迅速に社会実装へとつなげる取り組み、基礎研究を持続的に発展させるための組織づくりや人材獲得などについて議論が交わされました。
- 2026年3月に住友ファーマ株式会社の「アムシェプリ®」(パーキンソン病治療製品)とクオリプス株式会社の「リハート®」(重症心不全治療製品)が条件および期限付きの製造販売承認を受けた。
- iPS細胞2.0
樹立効率が良く、細胞株間のばらつきが少なく、分化効率に優れた高機能な次世代iPS細胞のこと。