「東京で学ぶ 京大の知」シリーズ27「国際社会の中の日本-日本の果たす役割-」第3回を開催しました。(2018年2月22日)

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連続講演会「東京で学ぶ 京大の知」のシリーズ27は、「国際社会の中の日本 -日本の果たす役割-」をテーマに「京都アカデミアフォーラム」in丸の内で開催しました。

シリーズ27の第3回は、「グローバル人材育成と開発援助 -総合生存学館の試み-」と題し、木邨洗一 総合生存学館(思修館)特定教授が講演を行いました。

木邨特定教授は、まず全世界の8割を占める途上国への開発援助の経緯や歴史について、第二次世界大戦後に、世界銀行、国連貿易開発会議、OECD開発援助委員会等が設立されたことや、2000年に作成されたミレニアム開発目標(MDGs)等を説明しました。そして、このような開発援助の結果、1990年から2015年で、妊産婦死亡率が減少したり、5歳未満の子ども死亡数が半減したことに触れ、2015年からは、国連の持続可能な開発目標(SDGs)が始まったことを解説しました。また、日本の開発援助についても、1954年のコロンボ・プランへの加盟を皮切りに援助国として技術協力を始めたことや、インドへの円借款の経済協力を実施したこと等を話しました。このように世界各地で行われる開発援助を担える国際的リーダーの育成を目指す思修館の教育プログラム等について、バングラデシュやミャンマーで実施した必修カリキュラムの内容を例に挙げて説明し、日本国内の内側だけを見るのではなく安全を確保した上で、開発援助国へ赴任し、国際社会の多様な構造とそれに関連した人々の環境等を理解する教育の必要性を述べました。

講演後は、参加者による積極的な質疑応答が繰り広げられ、盛況のうちに終了しました。

講演する木邨特定教授

会場の様子