京大ウィークス2017の期間中に全国各地23施設が公開イベントを行いました。(2017年10月7日~11月11日)

公開日

京都大学では、北は北海道から南は九州まで、全国各地に数多くの教育研究施設を展開しています。これらの隔地施設は、本学の多様でユニークな教育研究活動の拠点として重要な役割を果たすとともに、施設公開などを通じて、それぞれの地域社会における「京都大学の窓」として親しまれてきました。

これらの隔地施設の活動を知ってもらうため、一定期間に集中して公開イベントを行う「京大ウィークス」を2011年度から開催しています。

2017年度も「京大ウィークス2017」として、26施設でさまざまな公開イベントを企画しましたが、台風22号接近のため中止となった施設が3施設あり、23施設での開催となりました。開催できた施設の中にも台風の影響を受けて、一部中止したイベントもあり、最終的には、全国でのべ4,636名の方々の参加となりました。

「京大ウィークス2017」各施設の公開イベント

北海道 北海道研究林 ミニ公開講座「自然観察会」
岐阜県 飛騨天文台 社会人のための「飛騨天文台 自然再発見ツアー」
上宝観測所・穂高砂防観測所 合同公開:京大ウィークス版
愛知県 霊長類研究所 第27回市民公開日
滋賀県 信楽MU観測所 信楽MUレーダー見学ツアー2017
流域圏総合環境質研究センタ- 施設公開「琵琶湖畔での半日研究体験プロジェクト」
生態学研究センター 一般公開「学校で習わない生き物の不思議」
京都府 花山天文台 野外コンサート・ギャラリーウィーク・特別公開
芦生研究林 一般公開
上賀茂試験地 秋の自然観察会
宇治キャンパス 宇治キャンパス公開2017「科学大好き!ふしぎな世界を探検だ!」
宇治川オープンラボラトリー 公開ラボ「災害を起こす自然現象を体験する」
農場 京大農場オープンファーム2017
大阪府 原子炉実験所 アトムサイエンスフェア講演会・実験教室
阿武山観測所 地震サイエンスミュージアムDAY2017
和歌山県 ※ 台風22号接近のため、中止となりました。
和歌山研究林 ミニ公開講座
瀬戸臨海実験所 施設見学会
潮岬風力実験所 大気観測の実体験
山口県 徳山試験地 周南市・京都大学フィールド科学教育研究センター連携公開講座
徳島県 徳島地すべり観測所 施設公開と地すべり・活断層の野外見学
大分県 地球熱学研究施設 施設公開・講演会・地獄ハイキング・ライトアップ
熊本県 火山研究センター 一般見学会
宮崎県 ※ 台風22号接近のため、中止となりました。
幸島観察所 公開講座「幸島ニホンザルの観察会」
※ 台風22号接近のため、中止となりました。
宮崎観測所 施設見学・ミニ公開講座
鹿児島県 桜島火山観測所 施設探検ツアー・施設公開

北海道研究林 ミニ公開講座「自然観察会」 (10月21日(土曜日))

フィールド科学教育研究センター北海道研究林白糠区では、ミニ公開講座「自然観察会」を開催しました。

2017年は11名の応募があり、当日は10名の参加がありました。管理棟にて開会式および概要説明を行い、その後、レンタカーで研究林内の遊歩道に移動し、自然観察を行いました。全体を2つのグループに分け、教員・技術職員の解説を聞きながら遊歩道を散策しました。アンケートも好評で「初めて参加しましたが、案内の先生やスタッフの方がとても親しみやすく、分かりやすい説明で、有意義でした」など多くの感想が寄せられました。

倒木の説明

動物のフンの観察

飛騨天文台 社会人のための「飛騨天文台 自然再発見ツアー」 (10月7日(土曜日)~9日(月曜日・祝日))

理学研究科飛騨天文台では、2泊3日で社会人のための「飛騨天文台 自然再発見ツアー」を開催しました。

当イベントは、2泊3日のツアーのうち、主に最初の2日間を飛騨天文台で過ごすプログラムを用意して実施しました。初日は飛騨天文台での研究活動や、太陽を中心とする天体について解説する講義と、夜間観測用天体望遠鏡の見学を行いました。ただ、この日の夜は天候にはあまり恵まれず、直接天体観測をすることはできませんでした。2日目は、主に太陽観測用望遠鏡の見学と、それらを用いて得られた太陽画像の観望、さらに太陽黒点・プロミネンス・フレア爆発、オーロラ、太陽分光スペクトルなどの解説を行い、参加者からは多くの質問がありました。2夜目は短時間でしたが、晴れ間が現れ、街明かりのない星空を東洋最大の65cm屈折望遠鏡や肉眼で楽しむこともできました。当ツアーを通し、普段の生活では疎遠になっている大自然を、科学的視点から眺める楽しさを体験する機会となりました。

ドームレス太陽望遠鏡による太陽観望の様子

飛騨天文台65cm屈折望遠鏡での星雲の観望

上宝観測所および穂高砂防観測所 合同公開: 京大ウィークス版 (11月11日(土曜日))

防災研究所上宝観測所は、穂高砂防観測所との合同で「合同公開: 京大ウィークス版」を開催しました。

上宝観測所・穂高砂防観測所は、北アルプス南部にそびえる活火山焼岳を共通の研究対象としています。2017年は、同日に岐阜県高山市が主催した「焼岳火山噴火警戒避難訓練」に参画し、訓練に参加した近隣住民に両センターで行っている研究活動を紹介しました。訓練には546名の近隣住民および関係者が参加しました。午後には近隣の公民館にて両観測所の教員による公開講座を開催し、20名弱の参加がありました。特に避難訓練では小学生から高齢の方まで幅広い年齢層の方々が多数参加し、防災意識を高め、本学の防災研究に対する理解を深める有意義な機会となりました。

小学生に水路模型による実験の説明をする穂高砂防観測所の教職員

地元消防団員に地震計の原理の説明をする上宝観測所の教職員

霊長類研究所 第27回市民公開日 (10月29日(日曜日))

霊長類研究所では、第27回市民公開日を開催しました。

2017年は10代から70代までの幅広い年齢層から、計84名の来訪があり、研究所周辺の市町村だけでなく、愛知県内や関東、近畿地方など遠方からもたくさんの参加がありました。当日は、最新の研究成果についての講演「人間の本能ってなんだろう?」の後、チンパンジー施設やニホンザルの放飼場、展示資料室など、研究所内の見学を行いました。参加者は、熱心に見学、質問し、「チンパンジーの勉強風景を近くで見ることができてうれしかった」、「研究所内の各見学先で、いろいろ勉強になることや、初めて知ることなどたくさんあって、とてもいい経験になりました」などの感想が寄せられました。

正高信男 霊長類研究所教授による講演「人間の本能ってなんだろう?」

展示資料室で骨格標本を観察する参加者

信楽MU観測所 信楽MUレーダー見学ツアー2017 (10月7日(土曜日))

生存圏研究所信楽MU観測所では、信楽MUレーダー見学ツアー2017を開催しました。

午前と午後の部を合わせて136名の参加がありました。当日は、研究所の教員による信楽とインドネシアにおけるレーダーを使った大気研究についての講演に続き、MUレーダーおよび各種大気観測装置の見学を行いました。最後に、気球を用いたラジオゾンデ観測の実演として、子供を含む来場者と一緒に放球し、上昇していく気球が見えなくなるまで観察しながら参加者との交流を深めました。参加者からは、「MUレーダーの具体的な機器の動作や内部の作りが見れてよかった」、「ラジオゾンデの説明を聞き、夢が膨らみました」などの感想が寄せられ、好評のうちに終了しました。

MUレーダアンテナ面に降りて見学

気球を用いた高層大気観測(ラジオゾンデ観測)の実演

流域圏総合環境質研究センタ- 施設公開「琵琶湖畔での半日研究体験プロジェクト」 (10月14日(土曜日))

工学研究科流域圏総合環境質研究センターでは、施設公開 「琵琶湖畔での半日研究体験プロジェクト」を開催しました。

このイベントは、同センターの環境問題に関する研究活動を一般の方々に紹介することを目的に、毎年開催しています。2017年は学生、社会人等、幅広い年代から計15名の参加がありました。当日は、センター長の挨拶、センターの概要説明に引き続き、隣接する大津市水再生センターに設置してある水質浄化の実験プラントを見学し、その後2班に分かれて、実験棟の見学と実験体験を行いました。実験棟では(1)水質分析と、(2)琵琶湖藻類の観察を行いました。最後に、ミニ講義と質問コーナーを行い終了しました。参加者からは「説明が丁寧でわかりやすかった」、「京都大学にも色々な研究室があることを知った」、「実験体験が面白かった」、「講義が面白かった」などの感想が寄せられ、好評のうちに終了しました。

実験室の説明

水質実験体験

生態学研究センター 一般公開「学校で習わない生き物の不思議」 (10月14日(土曜日))

生態学研究センターでは、一般公開「学校で習わない生き物の不思議」を開催しました。

この一般公開は、生き物の暮らし方、生態系や環境問題などに関心を持たれる方々に、教科書に載っていない面白い話題をわかりやすく紹介することを目的に、毎年開催しています。2017年は定員を上回る64名の応募があり、当日は47名の参加がありました。寄生蜂の生態や行動についての講義と実習を行った後、同センターが所有するCERの森で自然観察会を行いました。参加者は、沢山の植物やキノコを採取し、生物の生態についての説明を聞きながら観察を行いました。「寄生する瞬間が、素早くて驚いた」、「観察会がメインでもいい」などの感想が寄せられ、一般公開は好評のうちに終了しました。

寄生蜂の産卵の観察

川北篤 生態学研究センター准教授によるキノコの解説

花山天文台 野外コンサート・ギャラリーウィーク・特別公開 (10月7日(土曜日)、10月28日(土曜日))

理学研究科花山天文台では、10月7日に野外コンサートを、28日に特別公開とギャラリーウィークを開催しました。

野外コンサートは、花山天文台の応援を目的に毎年開催しており、今回で5回目となります。世界的音楽家の喜多郎氏に加え岡野弘幹氏を迎えて、宇宙のさまざまな映像と喜多郎氏の音楽「古事記」を合わせたDVD「古事記と宇宙」を天文台の建物に映しながら、喜多郎氏の生演奏などが上演されました。特別公開では、あいにくの雨にも関わらず約150名の来場があり、望遠鏡・観測装置の展示と解説のほか、4次元デジタル宇宙シアター、工作教室などの体験型企画などを行いました。ギャラリーウィークでは、山本一清 初代天文台長の研究机や研究資料の展示を特別公開に合わせて行いました。参加者からは、「宇宙人である意識になったすばらしい夜でした」(野外コンサート)、「天文に関するさまざまなことを、とてもわかりやすくたくさん親切に説明していただきありがとうございました。興味が広がり、もっと天文について知りたくなりました」(特別公開・ギャラリーウィーク)などの感想が寄せられ、イベントは好評のうちに終了しました。

野外コンサート:喜多郎氏(左)と岡野氏(右)によるミニコンサートの様子

特別公開:45cm屈折望遠鏡の解説

ギャラリーウィーク:山本初代天文台長に関する資料展示の様子

芦生研究林 一般公開 (10月21日(土曜日))

フィールド科学教育研究センター芦生研究林では、一般公開を開催しました。

このイベントは、本学の教育・研究環境を公開するとともに、訪問者が、芦生研究林の自然に親しむ機会として開催しました。当日はあいにくの荒天だったにもかかわらず、60名の参加がありました。当日は、教員によるガイドツアー、川魚調査体験、ミニ講義、資料館開放を実施しました。参加者には、多彩なイベントを通して自然のすばらしさを学び、またそれを研究する科学者と触れ合う機会となりました。参加者からは、「とてもよかった。勉強になりました」などの感想が寄せられ、イベントは好評のうちに終了しました。

「大カツラ」と呼ばれているカツラの巨木の前での様子

芦生研究林草創期からの歴史を持つトロッコ軌道を散策

上賀茂試験地 秋の自然観察会 (11月3日(金曜日・祝日))

フィールド科学教育研究センター上賀茂試験地では、秋の自然観察会を開催しました。

2017年は定員30名を上回る77組139名の応募があり、当日は33名が参加しました。概要説明の後、2班に分かれ、教職員の案内で約2kmの観察会コースを2時間半ほどかけて散策しました。参加者からは「解説がとても面白く、あっという間でした」、「樹木の葉の成長の仕組みがよく分かった」などの意見が寄せられました。

センペルセコイアの解説

土壌の成り立ちについての解説

宇治キャンパス 宇治キャンパス公開2017 「科学大好き!ふしぎな世界を探検だ!」 (10月28日(土曜日)、10月29日(日曜日))

宇治キャンパスでは、宇治キャンパス公開2017「科学大好き!ふしぎな世界を探検だ!」を開催しました。

このイベントは、宇治キャンパスで行われている科学研究活動の一端を紹介することを目的に、毎年開催しています。毎年足を運ぶ方、初めて参加する方も多数おられ、2017年は2日間ともに天候が思わしくない中、2,000名を超える参加がありました。両日とも、研究所等の教員の講演、研究所紹介の展示スペース、普段は見ることができない研究施設や実験室の公開など、幼児から高齢者まで楽しめる工夫をこらしたプログラムを用意しました。いくつかの体験コーナーでは、参加者は真剣に実験に取り組み、壮大なテーマから身近にもある研究や発見など、バラエティに富んだいろいろな科学の世界とその奥深さを体験しました。同時開催した「スタンプラリー」も小さな子供たちに好評で、台風の影響による雨風の強い中でもたくさんの方が楽しみました。参加者からは、「また是非参加したい」、「ずっと続けてください」などの感想が寄せられ、イベントは好評のうちに終了しました。これからも地域に密着したイベントとして続けていく予定です。

公開ラボ:宇宙を見る加速器と磁場

公開ラボ:放射線を見る

宇治川オープンラボラトリー 公開ラボ「災害を起こす自然現象を体験する」 (10月29日(日曜日))

防災研究所宇治川オープンラボラトリーでは、公開ラボ「災害を起こす自然現象を体験する」を開催しました。

2017年も混雑を回避するために事前予約制を導入し、シャトルバスを増便しました。台風が接近する中、開催自体も危ぶまれましたが、246名の来場がありました。当日は、体験学習など通して、視覚的・感覚的に水の強さや水害の恐ろしさを体験しました。参加者からは、「立派な装置を子供たちにも分かりやすく体験できた」、「災害の怖さを体感した」、「日常では体験できないことを実際に体験できてよかった」などの感想が寄せられ、公開ラボは好評のうちに終了しました。

津波水槽での津波来襲の様子の観察

流水階段歩行体験

農場 京大農場オープンファーム2017 (11月3日(金曜日・祝日))

農学研究科農場において、京大農場オープンファーム2017を開催しました。

「京大農場におけるグリーンエネルギーファーム」を基本テーマとした公開講座、農場内を巡る農場ツアー(水田・果樹コース、蔬菜・花卉コース)、農業体験「イネの収穫」、公開ラボ「渋柿の渋抜き」「台所用品でDNA抽出」の他、各種展示や農場農産物の即売を通して、農業生産に関わる先端的研究、農学教育、実践的農業生産など、多面的機能を有する附属農場の活動内容を公開しました。776名の参加があり、特に農産物の即売や農場ツアーは大盛況となりました。公開ラボや農業体験の人気も高く、事前受付で早々に定員は埋まり、実験器具展示やポスター展示では来訪者が熱心にスタッフの説明に聞き入っていました。公開講座も講義室が満席となり、講義後には活発な質疑が行われました。

農業体験「イネの収穫」:体験風景

農場ツアー:温室での風景

原子炉実験所 アトムサイエンスフェア講演会・実験教室  (10月21日(土曜日)、29日(日曜日))

原子炉実験所では、アトムサイエンスフェア2017を開催しました。

このイベントは、幅広い年齢層の一般の方々に広く科学に興味を持っていただくために、毎年開催しているものです。10月21日に熊取交流センター(煉瓦館)において開催した講演会には、雨天にもかかわらず、61名の参加がありました。「放射線・粒子線治療を支える医学物理最前線」をテーマとして3つの講演を行い、講演後には活発な質疑応答が行われました。「医学物理の分野を知り、その方面の勉強をしてみたいと思った」、「基礎から講義してくださったので、理解しやすかった」等の感想が寄せられ、イベントは好評のうちに終了しました。29日に開催する予定だった実験教室は、台風22号の影響を想定し、中止となりました。

講演会の様子(1)

講演会の様子(2)

阿武山観測所 地震サイエンスミュージアムDAY2017 (11月2日(木曜日)、3日(金曜日・祝日))

防災研究所阿武山観測所では、地震サイエンスミュージアムDAY2017を開催しました。

両日合わせて118名の参加がありました。両日とも観測所の教員や阿武山サポーターと呼ばれるボランティアスタッフによる事前申し込み制の講演を計4回行い、また今回新たな試みとして事前申し込み不要で自由に閲覧が可能な展示ゾーンを設けました。さらにオプショナルミニレクチャーとして観測所の魅力を伝える4つの講演も実施しました。参加者からは「地震計の歴史にふれたのはもちろん、屋上からの展望も楽しめました」、「マンツーマンで説明が聞けました。自由見学が良かったです」などの感想が寄せられ、イベントは好評のうちに終了しました。

展示物「地殻構造の解明」の解説

屋上で大阪平野を一望しながら地形を解説

和歌山研究林 ミニ公開講座 (10月29日(日曜日))

※ 台風22号接近のため、中止となりました。

瀬戸臨海実験所 施設見学会 (10月28日(土曜日))

フィールド科学教育研究センター瀬戸臨海実験所では、施設見学会を開催しました。

このイベントは、瀬戸臨海実験所を知ってもらうため、毎年開催していますが、4年ほど前から、実験所が管理する無人島の畠島見学をプログラムに取り入れ、その自然保護について、理解を深めてもらうことも目的としています。地元の白浜・田辺地域から9名、和歌山市から4名、奈良県から4名、滋賀県から1名の計18名が参加しました。当日は台風22号の接近のため、朝の時点で、畠島行きの予定を実験所の観測船「ヤンチナ」の見学と装備の紹介に切り替えました。まず講義室に集合し、「実験所の歴史と活動」と「畠島の自然保護」について講演を行い、その後、観測船「ヤンチナ」の概略を説明しました。説明終了後、船着き場に移動して、実験所の観測船「ヤンチナ」に乗り込み、レーダーや魚探などの観測機器に加えて、採集器具などを上げ下げするワイヤーフレームを作動させ、採集の雰囲気を体験しました。また帰途には、畠島の対岸の坂田の鼻から、畠島の全景を眺めました。実験所へ帰所後は、水族館のバックヤードを見学し、水族館は自由見学としました。参加者からは、「天候が悪くて、畠島へ上陸できなかったことは残念だったが、船の見学や、水族館のバックヤードなど、日頃見る機会のないものを見られた」との声が寄せられました。

観測船「ヤンチナ」上での装備の説明

水族館バックヤードでの餌の説明

潮岬風力実験所 大気観測の実体験 (10月21日(土曜日))

防災研究所潮岬風力実験所では、大気観測の実体験を開催しました。

当日は台風が接近する中、午前は一般公開、午後は高大連携のイベントとして、午前に13名、午後に7名の計20名の参加がありました。午前午後ともに、気圧計、温度計、湿度計、3次元超音波風速計や雨量計などの気象測器について仕組みを紹介した後、ヘリウムを入れた風船にGPSゾンデ(気温、湿度を測定する機器)を取り付けて高さ16km付近まで上昇させ、上空の大気状態の観測(高層観測)のデモンストレーションを行いました。その後、一体型の気象測器(CWS)を使って風速、気温、気圧の実測や雨量を測るメカニズムなどについてデモンストレーションを行いました。また、潮岬風力実験所の沿革やこれまでの実験の様子を紹介するとともに、台風情報の見方や過去に潮岬を襲った台風、竜巻などのプレゼンテーションも実施しました。最後には、参加者はペットボトルを使った風力発電実験キットを作成し、扇風機で電圧の違う3種類のLEDを発光することができるか実験を行いました。参加者からは、「普段することのできない体験ができて楽しかった」、「最後の風力発電実験がおもしろかった」などの感想が寄せられ、台風の影響も心配されるなか、無事に終了することができました。

雨量計に水を注いで、観測原理を説明

GPSゾンデからリアルタイムで送られてくる観測データを紹介

徳山試験地 周南市・京都大学フィールド科学教育研究センター連携公開講座 (10月14日(土曜日))

フィールド科学教育研究センター徳山試験地では、周南市・京都大学フィールド科学教育研究センター連携公開講座を開催しました。

周南・光・山口・柳井市の市民のほか、山口県立田布施農工高校と徳山高校の高校生5名を加えて20名の参加がありました。徳山試験地のヒノキ人工林において、原皮師(もとかわし)の大野浩二氏による檜皮採取の実演を見学しました。作業をしながら、解説や質疑応答が繰り広げられ、参加者は檜皮採取の方法をよく理解することができた様子でした。また、環境調査の基礎である水質分析実習も行いました。試験地側で用意した河川水や井戸水に加えて参加者が持ち込んだ水試料も分析し、結果について皆で検討しました。

檜皮採取の実演

水質分析の実習

徳島地すべり観測所 施設公開と地すべり・活断層の野外見学 (10月7日(土曜日))

防災研究所徳島地すべり観測所では、施設公開と地すべり・活断層の野外見学を開催しました。

四国の風土に密接に関連した地すべりの実態、およびわが国を代表する活断層である中央構造線による地形変化などを理解してもらうため、2016年に引き続き、2017年も開催しました。当日は定員の30名を超える34名の参加がありました。まず、徳島地すべり観測所に集合し、パネルなどにより観測所を説明し、四国の地質・地形および地すべり分布図を紹介した上で、ボーリングで抜き取ったコア試料を用いて、地すべり土塊の特徴を紹介しました。その後、長期かつ高密度で地すべり計測を行っている西井川地すべり地にて、地すべりの地質・地形・変動特徴を紹介し、種々の地すべり観測機器を説明した上で、リアルタイムで観測した微動および参加者のジャンプで起こした地震動の観測・解析を行いました。また、池田城や白地城の城跡を案内し、歴史と地形についても紹介しました。最後には、中央構造線による池田町における地形変化および断層露頭を見学しました。参加者は、研究内容や体験内容について熱心に質問し、大学の研究者と積極的に対話をして交流を深めました。また、参加者からは、「大変充実したイベントでした」、「観光で訪れたのではわからないことまで十分に知ることができました」、「毎年参加したい」などの感想が寄せられ、イベントは好評のうちに終了しました。

高くジャンプして、強い地震を起こす

中央構造線の運動による地形変化の説明

地球熱学研究施設 施設公開・講演会・地獄ハイキング・ライトアップ (10月27日(金曜日)~29日(日曜日))

理学研究科地球熱学研究施設では、10月28日に施設公開と公開講演会を、27日と28日の両日に登録有形文化財建物のライトアップを開催しました。

2017年は台風の影響で、起震車による地震体験コーナーと29日に予定していた地獄ハイキングは中止としました。悪天候にも関わらず、施設公開に67名、公開講演会に22名の参加がありました。このイベントは、広く一般の方々に当施設への理解と関心を深めていただくことを目的に、毎年開催しているものです。当日は、3教室と屋外に分かれて、展示や実験などを行いました。展示について積極的に質問する参加者もいて、実験コーナーでは岩石が溶け、マグマのように流れていく様子を観察し、驚嘆の声が上がりました。また、公開講演会では参加者は熱心に耳を傾け、多くの質問がありました。参加者は熱心に耳を傾けていました。参加者からは、「面白い」、「また来年もきたい」などの感想が寄せられ、イベントは好評のうちに終了しました。

登録有形文化財建物である本館のライトアップ

施設公開:屋外実験の七輪マグマ

公開講演会の様子

火山研究センター 一般見学会 (10月21日(土曜日))

理学研究科火山研究センターでは、一般見学会を開催しました。

この見学会は、京都大学の火山研究に関する成果などを地元に周知することを目的に、センター独自に2001年から行っており、2012年からは京大ウィークスとして開催しています。2016年は熊本地震によりセンター本館が被災したため中止となり、今回は2年ぶりの開催となりました。当日は台風の接近する悪天候ではありましたが、親子連れなど68名の参加がありました。参加者は、阿蘇火山の活動状況や火山研究の最前線に関する説明に熱心に耳を傾け、観測機器の実演やマグマ・噴火に関する実験などを興味深く観察していました。

カルデラ生成実験の説明に聞き入る見学者

ダジックアースによるプレート運動の説明

幸島観察所 公開講座「幸島ニホンザルの観察会」 (10月29日(日曜日))

※ 台風22号接近のため、中止となりました。

宮崎観測所 施設見学・ミニ公開講座(10月29日(日曜日))

※ 台風22号接近のため、中止となりました。

桜島火山観測所 施設探検ツアー・施設公開 (10月28日(土曜日)、29日(日曜日))

防災研究所桜島火山観測所では、施設探検ツアーを開催しました。

このツアーは、火山観測の最前線を紹介することを目的に開催しているものです。今年度より、例年同時開催していた施設公開も施設探検ツアーに含まれることになりました。2017年は定員を例年の倍にしたため169人の応募を受け付け、当日は110名の参加がありました。なお、2日目の午前のツアーは台風のため中止となりました。昨年完成した高免観測坑道の内部に入っての観測機器と坑道の役割の説明では、参加者から多くの質問がありました。観測中は人が入らない場所だけに、参加者は坑道内で熱心に写真撮影をしていました。2日目の午後は晴天となり黒神観測室から昭和火口が臨むことができました。ツアーの最後に所内見学を行い、参加者は数十年間稼働している煤書き地震記録装置、2017年8月に導入した気象レーダーの画像や雨滴粒径分布計などの説明に聞き入っていました。参加者からは、「見学する機会のない観測施設を直接見学できて、さらに桜島に興味が深まりました」、「研究所というものはこんなにコンパクトなのか?」などの感想が寄せられ、ツアーは好評のうちに終了しました。

高免観測坑道内にて水管傾斜計の説明

観測所屋上に設置されている雨滴粒径分布計による火山灰観測の説明