「東京で学ぶ 京大の知」シリーズ25「時を考える」第1回を開催しました。(2017年5月18日)

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連続講演会「東京で学ぶ 京大の知」のシリーズ25は、「時を考える」をテーマに東京オフィスで開催しました。

シリーズ25の第1回は、「経済学における時間の捉え方」と題し、若井克俊 経済学研究科教授が講演を行いました。

若井教授は、まず経済学における時間について、時間選好を例に挙げて説明しました。具体的には、時間選好の研究史に触れ、割引効用モデルという考え方が生まれるまでの各経済学者の時間選好におけるさまざまな見解を示し、経済学における時間の捉え方がどのように展開してきたのかを解説しました。そして、経済学において価値を見出す指標(経済学的価値の源泉)である消費について、時間選好と経済活動の実験例を交えながら、どのような影響があるか説明しました。さらに、不確実な現象がおこる確率が分かっている状況と分かっていない状況では、それに備えて消費を減らし貯蓄を増やす傾向にあるという不確実性の影響があることについても説明し、時間の経過に対して普遍的経済価値を客観的に求めることはできない等、経済学における時間の捉え方について述べました。

来場者からは、「時間が如何に経済に影響しているか分かった」、「時間と経済学のつながりが、大変おもしろく感じた」という感想が寄せられる等、経済学の知に触れる機会となりました。

講演する若井教授

会場の様子