第65回玉城嘉十郎教授記念 公開学術講演会「物質科学が拓く小惑星探査のフロンティア」

第65回玉城嘉十郎教授記念 公開学術講演会
開催日
2026年12月25日 金曜日
時間

14時00分~16時30分

要申し込み
不要
公開日

 玉城嘉十郎先生は京都大学理学部において理論物理学を講じられ、在職中53歳の若さで他界されましたが、ご他界後30年に当たり、先生のご意志に基づいて、ご遺族より奨学のために多額のご寄付を頂き、先生を記念して毎年公開の学術講演会を開くことにいたしました。第1回は1969年秋、回を重ねること今回で65回に達しました。テーマは必ずしも既存の専門にとらわれず、明日の学問への展望をひらくものをと心がけて選ばれています。

 この玉城記念講演会は、専門の研究者だけでなく学生の参加も多く、少数ながら熱心な一般聴衆の方々にも好評を博しています。

基本情報

開催地
  • 吉田キャンパス

北部総合教育研究棟 益川ホール(北部構内マップ[13])

対象
  • 在学生の方
  • 一般・地域の方

大学生(学部生・大学院生)、教員、一般の方

参加費

無料

イベント内容

プログラム

14時00分~14時10分開会挨拶
14時10分~15時10分「小惑星イトカワの試料が物語る 内部太陽系の話」
野口 高明 京都大学理学研究科 地球惑星科学専攻 教授

2010年に、はやぶさ探査機は地球に小惑星試料を持ち帰りました。分析の結果、8万近い隕石の約85%を占める普通コンドライトの一種、LLコンドライトとほぼ同じ物質であることが分かりました。この最初の分析から16年近く経過し、普通コンドライトやイトカワ試料といった、太陽系の内側で形成された内部太陽系物質についての見方が変わりつつあります。ひとつは、これらの物質の起源天体は“乾いた”天体と考えられていたのが、熱い塩水や、H2Oに乏しい流体が内部を流れていた天体だと分かったことです。また、太陽から吹きつけるプラズマ流である太陽風と小惑星表面物質の反応でH2Oが形成されていることが分かったことです。この講演では、はやぶさ計画とはどういう計画であったかということから話を始めて、初期分析の結果、その後の研究で分かってきた新たな事、さらには、乾いた内部太陽系物質という見方が変わるかも知れないといったお話をしたいと思います。
15時20分~16時20分「「はやぶさ2」の小惑星リュウグウ探査 -私たちの材料に出会う冒険」
橘 省吾 東京大学理学系研究科 宇宙惑星科学機構 教授

探査機「はやぶさ2」はC型小惑星リュウグウを探査し、リュウグウがそろばん玉の形をしていること、大小さまざまな岩石が集まったがれきの山のような天体であること、表面には含水鉱物が存在することなど発見しました。二回の着地にも成功し、リュウグウ表面の石や砂を約5グラム回収しました。持ち帰られたリュウグウの石は、水素など気体になりやすい元素を除くと、太陽の化学組成に近い組成を持ち、太陽系の材料となった元素がその割合を変化させないままリュウグウをつくったことが示唆されます。また、誕生直後のリュウグウには、温泉のように温かい水が存在し、含水鉱物や有機物がつくられていったこともわかりました。これらの有機物にはアミノ酸や核酸塩基など生命前駆分子も含まれていました。さらにイトカワのように太陽風や小さな隕石の衝突が石の表面状態を変えることもわかりました。講演では、リュウグウの石が語る自身の歴史を、太陽系の歴史の文脈の中でお話ししようと思います。
16時20分~16時30分閉会挨拶
お問い合わせ

理学研究科 SACRA 広報・社会連携部門
Fax:075-753-9410
E-mail:050cr*mail2.adm.kyoto-u.ac.jp(*を@に変えてください)