環境用語集

環境用語集

あ行

亜酸化窒素(N2O)

常温常圧では無色の気体。麻酔作用があり、笑気とも呼ばれる。二酸化炭素、メタン、クロロフルオロカーボン(CFC)などとともに代表的な温室効果ガスの一つである。温室効果の強さは二酸化炭素を1とすると、亜酸化窒素では約100倍である。物の燃焼や窒素肥料の施肥などが発生原因であると言われている。

硫黄酸化物(SOx)

硫黄の酸化物の総称で、一酸化硫黄(SO)、三酸化二硫黄(S2O3)、二酸化硫黄(SO2)、三酸化硫黄(SO3)などがある。石油や石炭などの化石燃料を燃焼するとき、あるいは黄鉄鉱や黄銅鉱のような硫化物鉱物を培焼するときに排出される。大気汚染物質としての硫黄酸化物は、二酸化硫黄、三酸化硫黄、および三酸化硫黄が大気中の水分と結合して生じる硫酸ミストが主となる。硫黄酸化物は水と反応すると強い酸性を示すため、酸性雨の原因になる。硫黄酸化物による大気汚染問題は、高煙突、重油脱硫技術、排煙脱硫技術、天然ガスなどへの燃料転換などの普及により沈静化した。

一次エネルギー

エネルギーの利用に際しては、石油などの燃料を燃やした熱を利用するほか、さらにその熱の電気等への変換などを行う。一次エネルギーとは、いろいろな形のエネルギーを利用するための最初のエネルギー源のことを指す。一次エネルギーには、石油、石炭、天然ガスなどの化石燃料、原子力の燃料であるウラン、太陽熱など自然から直接得られるエネルギーなどがある。

一般廃棄物

産業廃棄物以外の廃棄物。一般廃棄物はさらに「ごみ」と「し尿」に分類される。また、「ごみ」は商店、オフィス、レストラン等の事業活動によって生じた「事業系ごみ」と一般家庭の日常生活に伴って生じた「家庭ごみ」に分類される。

ウォーム・ビズ

暖房時のオフィスの室温を20℃にした場合でも、ちょっとした工夫により「暖かく効率的に格好良く働くことができる」というイメージを分かりやすく表現した、秋冬の新しいビジネススタイルの愛称。重ね着をする、温かい食事を摂る、などのその工夫例。

エネルギー原単位

エネルギー使用量を、「生産数量又は建物床面積その他エネルギー使用量と密接な関係を持つ値」で除したものでエネルギー管理の指標となるもの。これは生産量や建物面積が増えればエネルギーの消費も増えるということを前提として指標としたものである。「生産数量又は建物床面積その他エネルギー使用量と密接な関係を持つ値」は工場であれば作る製品の個数、重量など、建物であれば延床面積が採られることが多いがそれぞれの工場、事業場でそれにあった量を採用することが必要である。

エネルギー等の使用の合理化及び資源の有効な利用に関する事業活動の促進に関する臨時措置法

平成5年法律第18号。エネルギー等の使用の合理化及び資源の有効な利用に事業活動の促進に関する臨時措置法(平成5年法律第18号)。平成5年に制定された「エネルギー等の使用の合理化及び再生資源の利用に関する事業活動の促進に関する臨時措置法」の改正法として、従来からの国内の省エネルギー対策、リサイクル対策、特定フロン対策に加え、海外で行われるエネルギー起源二酸化炭素排出抑制事業や、リデュース、リユース事業の実施が支援対象に追加された。

エネルギーの使用の合理化に関する法律

昭和54年法律第49号。化石燃料の使用の合理化及びそれによるエネルギーの使用の合理化を推進することにより、我が国のエネルギーセキュリティーを確保するとともに、環境と調和した経済活動の確保を目指した法律である。京都議定書の発効を踏まえ、各分野におけるエネルギー使用の合理化を一層進めるため、主に、1)熱と電気を区別して管理を求めていた工場・事業場において、熱と電気の一体的な管理を求め、2)一定規模以上の輸送事業者及び荷主に対し、省エネ計画の策定及びエネルギー使用量等の報告を義務付け、3)大規模ビル等の新築・増改築時に省エネ措置の届出を求めていたところ、大規模な住宅にも同様の措置を講じるとともに、大規模修繕等を行う場合にも届出を求めることとした改正法が平成18年4月1日から施行されている。

オゾン層

地球を取り巻く大気中のオゾンの大部分は地上から約10~50km上空の成層圏に存在し、オゾン層と呼ばれている。太陽光に含まれる有害紫外線の大部分を吸収し、地球上の生物を保護する役割を果たす。

温室効果ガス

大気を構成する気体であって、赤外線を吸収し再放出する気体。京都議定書では、二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、パーフルオロカーボン(PFC)、六フッ化硫黄(SF6)の6物質が温室効果ガスとして削減対象となっている。

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か行

環境アセスメント

環境に大きな影響を及ぼす事業について、その事業の実施に当たり、あらかじめその事業の環境への影響を調査、予測、評価し、その結果に基づき、その事業について適正な環境配慮を行うこと。環境影響評価ともいう。

環境会計

企業等が、持続可能な発展を目指して、社会との良好な関係を保ちつつ環境保全への取組を効率的かつ効果的に推進していくことを目的として、事業活動における環境保全のためのコストとその活動により得られた効果を認識し、可能な限り定量的(貨幣単位又は物量単位)に測定し、伝達する仕組み。

環境基本法

平成5年法律第91号。環境の保全について、基本理念を定め、並びに国、地方公共団体、事業者及び国民の責務を明らかにするとともに、環境の保全に関する施策の基本となる事項を定めることにより、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するとともに人類の福祉に貢献することを目的としている。

環境コミュニケーション

持続可能な社会の構築に向けて、個人、行政機関、企業、民間非営利団体といった各主体間のパートナーシップを確立するために、環境負荷や環境保全活動等に関する情報を一方的に提供するだけでなく、利害関係者の意見を聞き、討議することにより、互いの理解と納得を深めていくこと。

環境配慮促進法

正式名称は、環境情報の提供の促進等による特定事業者等の環境に配慮した事業活動の促進に関する法律。平成16年法律第77号。事業活動に係る環境配慮等の状況に関する情報の提供及び利用等に関し、国等の責務を明らかにするとともに、特定事業者による環境報告書の作成及び公表に関する措置等を講ずることにより、事業活動に係る環境の保全についての配慮が適切になされることを確保することを目的とする法律。平成17年4月1日より施行。

環境パフォーマンス情報

事業活動が環境に与える影響、環境への負荷やそれに係る対策の成果などに関する情報。具体的には、総エネルギー投入量、水資源投入量、温室効果ガス排出量、化学物質排出量・移動量、廃棄物等排出量、騒音・振動などの環境負荷や、グリーン購入、リサイクル量などの取組成果に関する情報。

環境負荷

環境負荷とは、人の活動により環境に加えられる影響であり、 環境保全上の支障の原因となるおそれのあるもの。例えば、 エネルギー消費、オゾン層破壊、一般大気汚染、水質汚濁、固形廃棄物など広い範囲が含まれている。

環境報告書

名称の如何を問わず、事業者が、事業活動に係る環境配慮の方針、計画、取組の体制、状況や製品等に係る環境配慮の状況等の事業活動に係る環境配慮等の状況を記載した文書。

環境報告書ガイドライン

環境報告書にかかる国内外の最新の動向を踏まえ、その望ましいと思われる方向及び内容を取りまとめ、環境報告書を作成・公表しようと考える事業者、既に環境報告書を作成・公表している事業者に対し、実践的な手引きとなるよう環境省が作成したもの。

環境マネジメントシステム

事業者が自主的に環境保全に関する取組を進めるに当たり、環境に関する方針や目標等を自ら設定し、これらの達成に向けて取り組んでいくこと。

環境リスク

人の活動によって環境に加えられる負荷が環境中の経路を通じ、環境の保全上の支障を生じさせるおそれ(人の健康や生態系に影響を及ぼす可能性)。

気候変動に関する国際連合枠組条約

一般的に気候変動枠組条約と呼ばれる。地球温暖化防止に関する取組を国際的に協調して行っていくため1992年(平成4年)5月に採択され、1994年(平成6年)3月21日に発効した。本条約は、気候系に対して危険な人為的影響を及ぼすこととならない水準において、大気中の温室効果ガス濃度を安定化することをその究極的な目的とし、締約国に温室効果ガスの排出・吸収目録の作成、地球温暖化対策のための国家計画の策定とその実施等の各種の義務を課している。

揮発性有機化合物(VOC)

揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds)とは、トルエン、キシレン等の揮発性を有する有機化合物の総称であり、塗料、インキ、溶剤(シンナー等)などに含まれるガソリンなどの成分になっているものもある。

京都イニシアティブ

1997年12月に、気候変動枠組み条約第3回締約国会議(COP3)の議長国として、ODAを中心とした途上国への支援を一層強化するために、我が国が発表した温暖化対策途上国支援策。以下の3つの柱からなる。1)「人づくり」への協力、2)最優遇条件による円借款、3)我が国の技術・経験(ノウハウ)の活用・移転。

共同実施(JI)

Joint Implementation(JI)。京都議定書による京都メカニズムの一種類(第6条)。議定書の削減約束を達成するに当たって、先進国同士が温室効果ガスの排出削減・吸収増進事業を共同で行い、その結果生じた削減量・吸収量を当事国の間で分配することのできる制度。

京都議定書

1997年12月に京都で開催された気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)において採択された議定書。先進各国の温室効果ガスの排出量について法的拘束力のある数値目標が決定されるとともに、排出量取引、共同実施、クリーン開発メカニズムなどの新たな仕組みが合意された。2005年2月に発効。

京都議定書目標達成計画

地球温暖化対策の推進に関する法律第8条に基づき、平成17年4月に閣議決定された、京都議定書による我が国の6%削減約束を達成するために必要な対策・施策を盛り込んだ計画。平成14年~16年、17年~19年、20年~24年の3ステップで進められる政府の地球温暖化対策の第2ステップ目に当たる。

京都メカニズム

京都議定書において導入された、国際的に協調して数値目標を達成するための制度。1)排出量取引(Emissions Trading)、2)共同実施(JI:Joint Implementation)、3)クリーン開発メカニズム(CDM:Clean Development Mechanism)の3種類がある。

国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(グリーン購入法)

平成12年法律第100号。環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築を図るため、1)国等の公的部門による環境物品等の調達の推進、3)情報提供の充実により、環境物品等への需要の転換を促進することを目的としている。平成13年4月1日より全面施行。

クリーン開発メカニズム(CDM)

Clean Development Mechanism(CDM)。京都議定書による京都メカニズムの一種類(第6条)。議定書の削減約束を達成するに当たって、先進国が、途上国において排出削減・植林事業を行い、その結果生じた削減量・吸収量を「認証された排出削減量(クレジット)」として事業に貢献した先進国等が獲得できる制度。途上国にとっては投資と技術移転がなされるメリットがある。

グリーン購入

製品やサービスと購入する際に、その必要性を十分に考慮し、購入が必要な場合には、できる限り環境への負荷が少ないものを優先的に購入すること。

クール・ビズ

冷房時のオフィスの室温を28℃にした場合でも、「涼しく効率的に格好良く働くことができる」というイメージを分かりやすく表現した、夏の新しいビジネススタイルの愛称。「ノーネクタイ・ノー上着」スタイルがその代表。

国際排出量取引

京都議定書による京都メカニズムの一種類(第6条)。議定書の削減約束を達成するに当たって、先進国同士が、温室効果ガスの排出枠の一部を取引することができる制度。

国際標準化機構(ISO)

ISO(International Organization for Standardization)。国際標準化機構は、国際的な非政府間機関(民間機関)であり、製品及びサービスの国際貿易を容易にし、知的・科学的・技術的・経済的活動分野における国際間の協力を助長するために、世界的な標準化とその関連活動の発展開発を図ることを目的としている。例えば、環境マネジメントシステムの規格であるISO14001を制定している。

コージェネレーション

一種類の一次エネルギー(例えば燃料)から連続的に二種類以上の二次エネルギー(例えば電力または動力と温度レベルの異なる熱)を同時に発生させる設備である。例えば、燃料を燃焼させることにより原動機を駆動して発電機を回転させ、発電を行うと同時に原動機の排ガスや冷却水の熱を蒸気または温水として取り出し、冷暖房や給湯、プロセス加熱等に使用することをいう。ここで原動機とはガスタービン・ガスエンジン・ディーゼルエンジン等、ボイラーと蒸気タービンの組合せ、および燃料電池設備を含む。

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さ行

再生可能エネルギー

太陽光、太陽熱、風力、地熱バイオマスなど通常エネルギー源枯渇の心配がない自然エネルギーのこと。ダムなどの建設を伴わない小規模の水力発電も再生可能エネルギーに含まれる。

産業廃棄物

事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、燃えがら、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチックなどの20種類の廃棄物をいう。大量に排出され、また、処理に特別な技術を要するものが多く、廃棄物処理法の排出者責任に基づきその適正な処理が図られる必要がある。

持続可能な開発の指標

アジェンダ21の第40章において、持続可能な開発のための指標の開発の必要性が指摘されている。持続可能な開発委員会(CSD)等の国際機関や諸外国において、地球環境の保全に向けた持続可能な開発を実現するため、経済、社会、環境等の様々な分野からの科学的なデータを統合し、判断・評価・分析するための総合的な指標の開発が進められている。日本においても、環境基本計画に示される目標の達成状況や目的と施策との関係等を具体的に示す総合的な環境指標の開発が進められている。

循環型社会

大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会に代わるものとして提示された概念。循環型社会基本法では、第一に製品等が廃棄物等となることを抑制し、第二に排出された廃棄物等についてはできるだけ資源として適正に利用し、最後にどうしても利用できないものは適正に処分することが徹底されることにより実現される、「天然資源の消費が抑制され、環境への負荷ができる限り低減された社会」としている。また、循環型社会基本計画では、このアンケート結果を踏まえ、具体的な循環型社会のイメージを提示している。

循環型社会形成推進基本法

平成12年法律第110号。循環型社会の形成について基本原則、関係主体の責務を定めるとともに、循環型社会形成推進基本計画の策定その他循環型社会の形成に関する施策の基本となる事項などを規定した法律。

水質汚濁に係る環境基準

水質保全行政の目標として、公共用水域及び地下水の水質について達成し維持することが望ましい基準を定めたもので、人の健康の保護に関する環境基準(健康項目)と生活環境の保全に関する環境基準(生活環境項目)の2つからなっている。

水質汚濁防止法

昭和45年法律第138号。公共用水域及び地下水の水質の汚濁を防止し、国民の健康を保護するとともに生活環境の保全を図るため、事業場からの排出水の規制・生活排水対策の推進・有害物質の地下浸透規制等が盛り込まれている。また、同法においては、閉鎖性水域に対して、汚濁負荷量を全体的に削減しようとする水質総量規制が導入されている。

ステークホルダー

企業等の環境への取組を含む事業活動に対して、直接的または間接的に利害関係がある組織や人物をいう。企業の利害関係者としては、消費者、取引先、投資家、地域住民、従業員、行政組織等の関係者をいう。

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た行

ダイオキシン対策推進基本方針

平成11年3月に「ダイオキシン対策関係閣僚会議」において策定された国の総合的かつ計画的なダイオキシン対策の具体的な方向をとりまとめたもの(ダイオキシン類対策特別措置法の制定に伴い、平成11年9月改定)。この基本指針では、「今後4年以内に全国のダイオキシン類の排出総量を平成9年に比べ約9割削減する」との政策目標を導入するとともに、排出インベントリーの作成や測定分析体制の整備、廃棄物処理及びリサイクル対策の推進を定めている。

ダイオキシン類

ダイオキシン類対策特別措置法では、ポリ塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン(PCDD)とポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)に加え、同様の毒性を示すコプラナーポリ塩化ビフェニル(コプラナーPCB)と定義している。生殖、脳、免疫系などに対して生じ得る影響が懸念されており、研究が進められているが、日本において日常の生活の中で摂取する量では、急性毒性や発がんのリスクが生じるレベルではないと考えられている。なお、これらの物質は炭素・水素・塩素を含むものが燃焼する工程などで意図せざるものとして生成される。

ダイオキシン類対策特別措置法(ダイオキシン法)

平成11年法律第105号。平成11年7月に議員立法により制定されたダイオキシン類対策に係る法律。ダイオキシン類による環境汚染の防止や、その除去などを図り、国民の健康を保護することを目的に、施策の基本とすべき基準(耐容一日摂取量及び環境基準)の設定、排出ガス及び排出水に関する規制、廃棄物処理に関する規制、汚染状況の調査、汚染土壌に係る措置、国の削減計画の策定などから定められている。

大気汚染防止法

昭和43年法律第97号。工場及び事業場における事業活動並びに建築物等の解体等に伴うばい煙、揮発性有機化合物及び粉じんの排出等を規制し、有害大気汚染物質対策の実施を推進し、並びに自動車排出ガスに係る許容限度を定めること等により、国民の健康を保護するとともに生活環境を保全し、並びに健康被害が生じた場合における事業者の損害賠償の責任について定めることにより、被害者の保護を図ることを目的としたもの。

耐容一日摂取量

Tolerable Daily Intake。生涯にわたって継続的に摂取したとしても健康に影響を及ぼすおそれがない1日当たりの摂取量。

地球環境サミット

1972年6月にストックホルムで開催された国連人間環境会議の20周年を機に、1992年6月にブラジルのリオ・デ・ジャネイロで開催された首脳レベルでの国際会議。地球サミットと呼ばれることもある。人類共通の課題である地球環境の保全と持続可能な開発の実現のための具体的な方策が話し合われた。この会議には100余ヶ国からの元首または首相を含め約180ヶ国が参加した。また、NGOや企業また地方公共団体からも多数が参加し多様な催しも開催された。この会議で、持続可能な開発に向けた地球規模での新たなパートナーシップの構築に向けた「環境と開発に関するリオデジャネイロ宣言(リオ宣言)」やこの宣言の諸原則を実施するための「アジェンダ21」そして「森林原則声明」が合意された。また、別途協議が続けられていた「気候変動枠組み条約」と「生物多様性条約」への署名が開始された。

地球温暖化

太陽の表面温度は約6,000℃と高いので、太陽からの放射は波長が短く(0.2-2μm)、大気に吸収されずに地表に届く。地表からの放射は低温度からの放射で波長が長い(4-30μm)ので大気中のCO2や水蒸気に吸収されてその温度を高める。その結果地表温度が高くなる、これが地球温暖化である。大気中のCO2濃度は、産業革命以前は280ppmであったが、1999(H11)年には367ppmであり、(水蒸気を除く)温暖効果ガスのうちCO2の寄与度は64%と最大である。予測として、2100年までには地球の温度は1.4-5.8℃の上昇、界面水位は9-88cmの上昇と云う報告もある。これにより陸地面積の水没、気象の変化(降水量の変化など異常気象、穀物収量の低下)などにより生態系への影響や経済的損失のおそれがある。

窒素酸化物(NOX)

一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO2)等の窒素酸化物(NOX)は、主に物の燃焼に伴って発生し、その主な発生源には工場等の固定発生源と自動車等の移動発生源がある。NOXは光化学スモッグ、酸性雨などをひきおこす原因物質となり、特にNO2は高濃度で呼吸器に悪影響を及ぼす。

チーム・マイナス6%

京都議定書による我が国の温室効果ガス6%削減約束に向けて、国民一人ひとりがチームのように一丸となって地球温暖化防止に向かうことをコンセプトに、平成17年4月から政府が推進している国民運動。

特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(化学物質排出把握管理促進法)

平成11年法律第86号。事業者による化学物質の自主的な管理の改善を促進し、環境保全上の支障の未然防止を図ることを目的としている。環境への排出量の把握等を行うPRTR制度及び事業者が化学物質の性状及び取扱いに関する情報(MSDS)を提供する仕組み等が導入された。

特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)

平成10年法律第97号。エアコン、テレビ、洗濯機、冷蔵庫及び冷凍庫について、小売業者に消費者からの引取り及び引き取った廃家電の製造者等への引渡しを義務付けるとともに、製造業者に対し引き取った廃家電の一定水準以上のリサイクルの実施を義務付けたもの。

特定事業者(環境配慮促進法における)

環境配慮促進法第2条第4項の規定に基づき、特別の法律によって設立された法人であって、その事業の運営のために必要な経費に関する国の交付金又は補助金の交付の状況、その他からみたその事業の国の事務又は事業との関連性の程度、協同組織であるかどうか、その他のその組織の態様、その事業活動に伴う環境への負荷の程度、その事業活動の規模、その他の事情を勘案して政令で定めるもの。具体的には、61の国立大学法人、25の独立行政法人などが対象とされる。

特別管理廃棄物

廃棄物のうち、爆発性、毒性、感染性があるなど人の健康または生活環境に被害を及ぼすおそれがある性状を有するもの。他の廃棄物と区別しての収集運搬や、特定の方法による処理を義務付けるなど、特別な処理基準が適用される。特別管理一般廃棄物と特別管理産業廃棄物に分けて政令で指定することとされており、特定の施設から生ずるばいじん、病院等から生ずる感染性廃棄物、廃PCB、廃石綿などが指定されている。

トップランナー制度

家電機器等において、商品化されている製品のうち最もエネルギー消費効率が優れている機器。「エネルギーの使用の合理化に関する法律」(省エネ法)においては、省エネ基準をトップランナー機器の性能以上に設定し、目標年度において、製造事業者等にその目標を達成することを求めている。

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な行

二酸化硫黄(SO2

硫黄分を含む石油や石炭の燃焼により生じ、かつての四日市ぜんそくなどの公害病や酸性雨の原因となっている。

二酸化炭素(CO2

常温常圧では無色、無臭の気体で、水に溶けて炭酸となり弱い酸性を示す。石炭、石油、天然ガス、木材など炭素分を含む燃料を燃やすことにより発生する。地球大気中での濃度は微量であるが、温室効果を持ち、地球の平均気温を15℃前後に保つのに寄与してきた。大気中濃度は、産業革命以前280ppm程度であったが、産業革命以降、化石燃料の燃焼、吸収源である森林の減少などによって、年々増加し、今日では370ppm程度にまで上昇した。なおも増加しており、地球温暖化の最大の原因物質として問題になっている。

二次エネルギー

二次エネルギーとは、エネルギーを使いやすくすために、一次エネルギーを変換及び加工して得られるエネルギーのこと。例えば石油を加工しててきるガソリンは二次エネルギーである。

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は行

廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)

昭和45年法律第137号。廃棄物の排出を抑制し、その適正な分別、保管、収集、運搬、再生、処分等の処理をすることを目的とした法律で、廃棄物処理施設の設置規制、廃棄物処理業者に対する規制、廃棄物処理基準の策定等を内容とする。

ばいじん

工場・事業場から発生する粒子状物質のうち、燃料その他の物の燃焼等に伴い発生する物質。

ハロン

主に消火剤として使用される。オゾン層破壊物質でありモントリオール議定書の削減規制対象物質である。温室効果ガスでもある。

ヒートアイランド現象

都市域において、人工物の増加、地表面のコンクリートやアスファルトによる被覆の増加、それに伴う自然的な土地の被覆の減少、さらに冷暖房などの人工排熱の増加により、地表面の熱収支バランスが変化し、都心域の気温が郊外に比べて高くなる現象をヒートアイランド現象という。この現象は、都市及びその周辺の地上気温分布において、等温線が都心部を中心として島状に市街地を取り巻いている状態により把握することができるため、ヒートアイランド(熱の島)といわれる。

浮遊粒子状物質(SPM)

SPM(Suspended Particulate Matter)。大気中に浮遊する粒子状の物質(浮遊粉じん、エアロゾルなど)のうち粒径が10μm(マイクロメートル:μm=100万分の1m)以下のものをいう。

粉じん

物の破砕、選別その他の機械的処理等に伴い発生、飛散する物質。

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ま行

マテリアルバランス

事業活動に投入された資源・エネルギー量(インプット)と、製造された製品・サービスの生産・販売量、廃棄物・温室効果ガス・排水・化学物質などの環境負荷発生量(アウトプット)を、まとめたもの。

マニフェスト制度

排出事業者が廃棄物の処理を委託する際に処理業者に管理票(マニフェスト)を交付し、処理終了後に処理業者よりその旨を記載した管理票の写しの送付を受けることにより、排出事業者が廃棄物の流れを管理し、適正な処理を確保するための仕組みのこと。平成3年の廃棄物処理法改正により創設され、平成5年4月より特別管理産業廃棄物に限って義務づけられたが、平成9年6月の同法改正によりすべての産業廃棄物に拡大された(平成10年12月より)。また、家電リサイクル法や自動車リサイクル法でも採用されている。

メタン(CH4

融点-184℃、沸点-164℃の無色の可燃性気体。天然ガスの主成分であり、また、有機物が嫌気状態で腐敗、発酵するときに生じる。有機性の廃棄物の最終処分場や、沼沢の底、家畜の糞尿、下水汚泥の嫌気性分解過程などから発生する。温室効果ガスのうち、原因の約6割を占める二酸化炭素に次いで、約2割の影響を及ぼす。また単位量あたりの温室効果は二酸化炭素の約20倍と大きく、回収し、エネルギー源として利用するための研究が続けられている。中国や東南アジアなど温暖な地域では、古くから家畜糞尿などを原料にした嫌気発酵によって生成するメタン(いわゆるバイオガス)を煮炊きなどに使ってきた。近年は、日本においても有機性廃棄物の処理および温暖化防止の観点から、メタン発酵を利用した処理プラントの導入事例が多数みられるようになってきている。

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英数字

BOD(Biochemical Oxygen Demand)

生物化学的酸素要求量。水中の汚物を分解するために微生物が必要とする酸素の量。値が大きいほど水質汚濁は著しい。

CFC

クロロフルオロカーボン。いわゆるフロンの一種。冷媒、発泡剤、洗浄剤等として使用される。オゾン層破壊物質でありモントリオール議定書の削減規制対象物質である。また、強力な温室効果ガスである。

COD(Chemical Oxygen Demand)

化学的酸素要求量。水中の汚物を化学的に酸化し、安定させるのに必要な酸素の量。値が大きいほど水質汚濁は著しい。

COP3

COPはConfference of Partners の略、COP3で第3回締約者会議となる。気候変動枠組条約加盟国の会議で1997年京都で開催された。温室効果ガスの削減枠を先進国に割り振るなど、京都議定書を採択した。

DO(Dissolved Oxygen)

溶存酸素量。水に溶解している酸素の量。水生生物の生息に必要であり、数値が大きいほど良好な環境。

ESCO (Energy Service Company)

ビルや工場の省エネ化に必要な、「技術」・「設備」・「人材」・「資金」などのすべてを包括的に提供するサービス。ESCO事業は、省エネ効果をESCOが保証するとともに、省エネルギー改修に要した投資・金利返済・ESCOの経費等が、すべて省エネルギーによる経費削減分でまかなわれるため、導入企業における新たな経済的負担はなく、契約期間終了後の経費削減分はすべて顧客の利益となる。

HCFC

ハイドロクロロフルオロカーボン。いわゆるフロンの一種。オゾン層破壊物質であり、モントリオール議定書の削減規制対象物質である。オゾン層破壊係数はCFCよりも小さい。また、強力な温室効果ガスである。

HFC

ハイドロフルオロカーボン。いわゆる代替フロンの一種。オゾン層破壊効果はないものの、強力な温室効果ガスであり、京都議定書において削減の対象となっている。

K値規制

K値は、一つのばい煙発生施設から排出された硫黄酸化物が拡散され、地上に到達した時の最大着地濃度(煙源から排出された汚染質が拡散し、地表面に到達してもたらす濃度の最大値)地点の濃度を定数化したもの。K値規制は、このK値に基づき硫黄酸化物の排出量を制限するもの。

ISO14000シリーズ

環境マネジメントに関する国際規格で、企業活動、製品及びサービスの環境負荷の低減など継続的な改善を図る仕組みを構築するための要求事項を規定。

LCA (Life Cycle Assessment)

ライフサイクルアセスメント。製品等による環境への負荷を原料調達、生産、消費・使用、廃棄という一連のプロセスにおいて定量的、科学的、客観的に把握・評価する手法。

LNG(Liquefied Natural Gas)

液化天然ガス。天然ガス(炭化水素を主成分とする可燃性気体)を冷却して液体にしたもの。主成分はメタン(CH4)で、マイナス162℃で液化すると体積はもとの 1/600 となり、その状態で専用タンカーで輸送され、半地下又は地上の大型断熱タンクに貯蔵される。使用に当たっては海水を散水するなどしてガス化している。極低温で液化するには多くのエネルギーを必要とし、輸送中の蒸発分の処置も必要とする。省エネ法では、可燃性天然ガスの中で、「液化天然ガス」と「その他可燃性ガス」に分けて取り扱われる。

LPG(Liquefied Petroleum Gas)

液化石油ガス。一般には、プロパンガスと呼ばれている。石油生産、石油精製または石油化学工業の過程で副生する炭化水素(プロパン、ブタン、プロピレン、ブテン等)を分留して取り出し、常温常圧ではガス状のこれらの混合気体を加圧もしくは冷却して液化したもの。家庭用、工業用、内燃機関用燃料、都市ガス原料として使用されている。

MSDS(化学物質等安全データシート)制度

Material Safety Data Sheet(化学物質等安全データシート)有害性のある化学物質及びそれを含有する製品を他の事業者へ譲渡、又は提供する際に、化学物質等の性状及び取扱いに関する情報を相手へ提供することを義務付ける仕組みをいう。

PCB廃棄物

PCBは昭和4年に初めて工業製品化されて以来、その安全性、耐熱性、絶縁性を利用して電気絶縁油、感圧紙等、様々な用途に用いられてきたが、環境中で難分解性であり、生物に蓄積しやすくかつ慢性毒性がある物質であることが明らかになり、生産・使用の中止等の行政指導を経て、昭和49年に化学物質審査規制法に基づき製造及び輸入が原則禁止された。しかし、PCB廃棄物については、処理施設の整備が進まなかったことなどから事業者が長期間保管し続けてきており、平成13年にPCB廃棄物処理特別措置法が制定され、処理体制の整備を図った上で平成28年度までに処理を終えることとしている。

PDCAサイクル

計画(Plan)、実施(Do)、点検(Check)、見直し(Act)からなるPDCAサイクルを繰り返すことによって自らの継続的な改善を図り、取組を管理・推進するもの。

PFC

パーフルオロカーボン。強力な温室効果ガスであり、京都議定書において削減の対象となっている。

PRTR制度

Pollutant Release and Transfer Register 化学物質排出移動量届出制度。人の健康や生態系に有害な影響を及ぼすおそれのある化学物質について、環境中への排出量及び廃棄物に含まれての事業所の外に移動する量を事業者が自ら把握し、国に報告を行い、国は、事業者からの報告や統計資料等を用いた推計に基づき、対象化学物質の環境への排出量等を把握、集計し、公表する仕組みをいう。

SF6

六フッ化硫黄。強力な温室効果ガスであり、京都議定書において削減の対象となっている。

SS(浮遊物質)

水中に浮遊または懸濁している直径2mm以下の粒子状物質のことで、沈降性の少ない粘土鉱物による微粒子、動植物プランクトンやその死骸・分解物・付着する微生物、下水、工場排水などに由来する有機物や金属の沈殿物が含まれる。SS、懸濁物質と呼ばれることもある。検体の水をガラス繊維ろ紙(孔径1μm、直径24~55mm)を用いてろ過し、乾燥したのちろ紙上に捕捉された量を秤量する。検体の水1リットル中の重さに換算して浮遊物質量とする。浮遊物質が多いと透明度などの外観が悪くなるほか、魚類のえらがつまって死んだり、光の透過が妨げられて水中の植物の光合成に影響し発育を阻害することがある。排水の排水基準、公共用水域の環境基準、下水道への放流基準で規制されている。

3R

リデュース(Reduce):廃棄物等の発生抑制、リユース(Reuse):再使用、リサイクル(Recycle):再生利用の3つの頭文字をとったもの。