本学における公開講座としては、人文科学研究所、数理解析研究所などの部局単位で開催されるものが早くからありましたが、この京都大学市民講座は、はじめての全学的な公開講座として、昭和54年から財団法人京大会館楽友会の協力の下に開催するようになりました。本学の学術研究の一端を広く社会一般に公開し、社会人の教養と文化の向上に役立つことを目的とするもので、市民の皆様にご参加いただきやすい土曜日の午後に開催しています。
第1回の市民講座は昭和54年10月6日、13日、27日の3日にわたり、「人間を考える」という共通テーマの下に、人文・社会・自然諸科学にわたる6名の講師によって行いました。その後も「人間の生活を考える」(昭和55年)、「人間・自然・文化」(昭和56、57年)、「自然と生命」(昭和58、59年)、「生命を考える」(昭和60年)などのテーマで開催し、今日まで続いています。
平成21年度テーマ:政権交代
第1日目 2月13日(土曜日)
第1講目 13時00分~14時30分 |
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第2講目 14時50分~16時20分 |
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第2日目 2月20日(土曜日)
第1講目 13時00分~14時30分 |
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第2講目 14時50分~16時20分 |
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講義概要
第1日目 2月13日(土曜日)
第1講目
制度分析から考える政権交代:日本とアメリカ 法学研究科 教授 待鳥 聡史
2009年は、日本とアメリカの両国で「変革」をキーワードとする政権交代が起こった年となった。確かに、政権交代は何らかの変化をもたらすことが多いが、その特徴は国によって異なっており、日本とアメリカの「変革」は同じではない。本講演では、政治制度が政策過程に与える影響の比較という視点から、日本とアメリカの政権交代がどのような共通点と相違点を持つのかを考えていきたい。
第2講目
政権交代と政治改革の間 -思想史からの眼差し 人文科学研究所 教授 山室 信一
2009年、政権公約を掲げた二大政党が対峙し、その結果として政権政党が変わったことは「政権交代こそ最大の政治改革である」という意味で、一つの達成ではあった。だが、選挙に勝利することと政治改革とは同じでない。問題の焦点はいかなる政治運営をおこなうことによって、どのような政治改革が達成されるかにある。それでは、日本政治にとっていかなる改革が要請されているのか、歴史的に回顧しつつ、その課題について展望したい。
第2日目 2月20日(土曜日)
第1講目
政権交代と官僚制:8.30ショックは霞ヶ関をどう揺るがせたか 公共政策大学院 教授 秋月 謙吾
いわゆる「政治主導」を唱える民主党が圧勝した今回の総選挙、霞ヶ関はどのようにしてそれを迎えたのだろうか。まず、民主党と自民党の官僚制に対する態度はどれくらい違うのかを検証したうえで、政権交代による政官関係の変動はどのようなものになるか予測分析する。
第2講目
国際通商交渉分野における政権交代の影響 公共政策大学院 特別教授 佐伯 英隆
「経済連携協定(FTA/EPA)」の本質を議論し、新政権が掲げる「東アジア共同体構想」が内包する外交・地政学上の論点を批判的に検証するとともに、新政権が提唱する「庶民の視点=アマチュアリズム」で、プロフェッショナル同士の弱肉強食の現実下にある国際交渉を果たして乗り切れるのか、種々の問題点を指摘したい。
会場 | 京都大学百周年時計台記念館 百周年記念ホール |
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受講資格 | 特に問いません。広く市民の皆様の受講を歓迎します。 |
定員 | 500名(申し込みによる先着順) |
受講料 | 1,000円(全講義を通しての受講料) ※1講義ごとのお申し込みは受け付けておりませんので、ご了承願います。 |
申込方法 | 当ページ申込フォーム、ファックスまたははがきでお申し込みください。
※本学在学生・教職員の方は、学内専用申し込みページよりお申し込みください。 <申し込みシステムについて> |
申込締切日 | 平成22年2月5日(金曜日) |
問合せ先 | 〒606-8501 京都市左京区吉田本町 京都大学企画部社会連携推進課 市民講座係(住所不要) 電話:075-753-2233(月曜日~金曜日:9時00分~17時00分) URL:/ja/clocktower/ ファックス:075-753-2286 |
その他 | ※申し込みに際しての個人情報については、「京都大学市民講座」以外の用途には一切使用しません。 ※駐車場はございませんので、公共交通機関をご利用ください。 |
主催:京都大学/財団法人 京大会館楽友会