日本学術会議近畿地区会議学術講演会 「世界の目から見た日本の大学評価」を開催しました。(2011年7月30日)

日本学術会議近畿地区会議学術講演会 「世界の目から見た日本の大学評価」を開催しました。(2011年7月30日)

 日本学術会議および本学は、日本学術会議近畿地区会議学術講演会「世界の目から見た日本の大学評価」を医学部芝蘭会館稲盛ホールにおいて開催し、約120名の参加者がありました。

 苧阪直行 日本学術会議近畿地区会議代表幹事(京都大学特任教授)の総合司会のもと、唐木英明 日本学術会議副会長の開会挨拶に続き、渡辺麻子 トムソン・ロイター学術情報ソリューション統括マネージャーによる「データが語る世界の大学ランキング」では、大学ランキングを公表する側から見た日本の大学の研究力などについて説明がありました。

 次に椹木哲夫 工学研究科教授・理事補(研究担当)による「世界の大学評価:最近の動向と問題点」では、ランキングの評価方法が特定の指標に過度に依存して各大学の個性が反映されていないとの指摘や、ランキングを利用した学生への情報提供の提案などがありました。

 引き続き依田高典 経済学研究科教授による「世界の大学評価から見た日本の大学」では、近年の大学ランキングで日本の大学の順位が下がった要因として論文の被引用数の評価方法の変化、地域による調整が起こる分析について説明がありました。

 また、石川真由美 大阪大学国際企画推進本部教授による「世界大学ランキングの功罪:日本の大学の視点から」では、ランキングは大学をブランド化してしまうこと、英語圏偏重の傾向があることから、英語圏以外の国々で自国語による教育研究に深刻な影響を与えるなどの問題がある一方、自らを写す鏡として、研究者が世界で競争・協調する力や日本の大学の国際性を示す指標となるとの解説がありました。

 最後の講演では、渡部由紀 国際交流推進機構助教より「世界ランキングの近年の傾向」をテーマに、大学ランキングは中国の上海交通大学が、国内の大学が世界の大学と比べた際の位置づけを調べることから始まったとされていること、その後世界中でランキングが作られ、それぞれが独自の指標で評価していることなどについて説明がありました。

 その後、来場者からの質問に答える形で総合討論を行い、各講演者がそれぞれの視点から、大学ランキングなどの大学評価について参加者に説明が行われるなど、活発な意見討論がありました。

 最後に吉川潔 理事・副学長(研究担当)から閉会の挨拶があり、講演会は盛況のうちに終了しました。


開会挨拶を行う苧阪特任教授

講演を行う椹木工学研究科教授・理事補

総合討論の様子

当日配付資料