ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー(VBL)協力講義「新産業創成論」(工学研究科)および「ナノテクベンチャー論」(経営管理大学院)では、「京都花街の経営学-長期競争優位性構築の事業システム-」の課外授業を行いました。
本課外授業は、本年度前期に行った標題の講義(担当:西尾久美子 非常勤講師・京都女子大学准教授)の内容理解をより深めるためにVBL(施設長:松重和美 工学研究科教授)が企画したもので、受講生からの10名の希望者等の参加(費用は参加者分担)のもと、宮川町のお茶屋花傳(かでん)にて行いました。京都の伝統文化・産業の集積でもある花街を、実際に顧客の立場で体験することを通じて、お茶屋と芸舞妓と顧客の関係、また花街の経営戦略とそれに基づく事業設計をより深く理解する機会となりました。参加した学生は高い評価・満足度を示していました。花傳は、伝統的な事業体である花街において、インターネットにいち早く目をつけて、花街全体のインターネット利用を促す先導役を果たされたこともあり、その事業展開の手腕についても関心が持たれるところです。
当日は、まず、宮川町界隈を散策しながら、西尾講師から花街のなりたちや客として守るべき作法などについて解説がありました。お茶屋では、女将からお話を伺った後、芸舞妓に踊りを披露していただくとともに、会話やお座敷遊びを通じて、「おもてなし」を体感しました。16、17歳の舞妓、大学院生と年齢が変わらない芸妓のプロ意識の高さを実感するとともに、疑似姉妹関係がある芸舞妓からお話を伺うことにより、その独特な人材育成システムについても学ぶことができました。
伝統的な芸事を鑑賞するとともに、芸舞妓と同じ目線で会話したり、一緒にゲームをして遊ぶことにより、日本、そして京都の伝統的な「おもてなし」が現代にも通じることの本質について、サービス産業の本質についても身をもって習得できる良い機会になりました。
![]() 舞妓による舞の披露 | ![]() 芸妓による舞の披露 |
![]() 芸舞妓によるお座敷遊び | ![]() お茶屋でのおもてなし |
![]() 参加者による集合写真 |