「第2回iPS細胞研究産業応用懇話会」を開催しました。(2009年2月2日)

「第2回iPS細胞研究産業応用懇話会」を開催しました。(2009年2月2日)


山中伸弥 iPS細胞研究センター長による講演:「iPS細胞研究の動向」

 京都大学物質 - 細胞統合システム拠点iPS細胞研究センター(CiRA)は、iPS研究成果をより早く社会に還元していくことを目指し、産業応用に向けて産業界と相互協力を進めるため、関西経済連合会との共催による「第2回iPS細胞研究産業応用懇話会」を開催しました。

 当日は、吉田神社の節分祭がにぎやかに行われている近くの京都大学芝蘭会館稲盛ホールに、174名(うち産業界から122名 / 76社・団体)が集まり、様々なテーマの講演に熱心に聞き入っていました。

 懇話会の冒頭で、松本紘 京都大学総長から、第1回の懇話会で要望がありましたiPS細胞の提供事業の開始や培養技術講習の実施、また京都大学が国内での基本特許を取得したことなど、産業応用に向けて着実に進展しているとの挨拶がありました。また、菱山豊 文部科学省研究振興局ライフサイエンス課長から、iPS細胞研究の産業応用への現状と展望についての報告がありました。

 続いて、山中伸弥 iPS細胞研究センター長が「iPS細胞研究の動向」について、山下潤 同センター准教授が「iPS細胞からの心血管系への分化誘導」について講演しました。その後、早川尭夫 独立行政法人医薬品医療機器総合機構顧問が「iPS細胞等も考慮した細胞製品の指針の整備状況」について、福田恵一 慶応義塾大学医学部教授が「iPS細胞から誘導された心筋細胞の創薬への活用と臨床応用」についての講演を行いました。

 また、CiRA研究戦略本部並びに支援室、iPSアカデミアジャパン株式会社の紹介をするセクションもあり、京都大学でのiPS細胞研究支援体制や社会還元施策についての説明が行われました。参加者から研究成果の産業応用についての要望など、活発な意見交換が行われました。参加者とのディスカッションのコーナーでは、塩田浩平 産官学連携担当理事・副学長、牧野圭祐 産官学連携本部長などが登壇し、研究成果の産業応用について活発な意見交換を行いました。

 懇話会終了後に、芝蘭会館山内ホールにおいて情報交換会が行われ、山中センター長や講演者に出席者から熱心な質問が寄せられました。

松本紘総長の挨拶


菱山豊 文部科学省研究振興局ライフサイエンス課長

松本紘 京都大学総長

山下潤 iPS細胞研究センター准教授

早川尭夫 独立行政法人医薬品医療機器総合機構顧問

福田恵一 慶応義塾大学医学部教授

吉田修 iPSアカデミアジャパン株式会社代表取締役社長

左からiPS細胞研究センターの中畑龍俊副 センター長と山中伸弥センター長、塩田浩平 京都大学理事・副学長、牧野圭祐 産官学連携本部長、山本博一 産官学連携センター特定教授