先進国でも異例の食料自給率の低下に対する消費者の不安、国産の農産物や食品への期待が高まり、農場から食卓を結ぶ持続的なシステムの構築が求められています。ところが、農業者は、農産物・食品価格の著しい引き下げのなかで経営の存続が危ぶまれ、消費者は1円でも安い食品を追い求める一方、大量の食品を廃棄しており、持続的なシステムを構築し拡大するには大きな課題を抱えています。
本シンポジウムは、さまざまな立場の関係者が一堂に会し、意見交換することを通して、将来の見通しを探り出していくことを目的としています。京都には、農場と食卓を結ぶ位置に、長い伝統をもつ多数の食品事業者が存在し、また、青果物・水産物、食肉の中央卸売市場が存在します。その蓄積と将来構想を核に、京都らしい農場と食卓を結びつける新たな考え方、仕組み、産業クラスター(産業集積)あるいはフードシステムの将来見通しを描くことができるのではないかと考えます。
それは、府・市民の食文化・食生活の充実、地域経済および農業・農村の再生、さらにそれを通して府市民の財産となる美しい農村景観や自然を守ることにも寄与するものと考えています。
多数の皆さまのご参加をお待ちしています。
地域シンポジウム
日時
2010年10月22日(金曜日) 午後1時00分~午後4時30分
場所
京都大学本部構内 百周年時計台記念館 百周年記念ホール
参加費
無料
申し込み
不要
問い合わせ
京都大学大学院農学研究科寄附講座「食と農の安全・倫理論」
TEL/FAX: 075-753-6339
haruyo*kais.kyoto-u.ac.jp (*を@に変えてください)
工藤春代
プログラム
座長解題 将来世代に受けつぐ農業者、食品事業者、消費者の繋がり |
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京都大学教授 新山陽子 |
報告1 素材の質を生み出す農業者から-食品事業者、消費者へのメッセージ- |
新京野菜の会会長 石割照久 |
報告2 食と農を繋ぐ中央卸売市場-未来への構想- |
京都青果合同株式会社 代表取締役社長 内田隆 |
報告3 食を支える食品事業者-持続的経営と農業者・消費者への向かい合い方- |
株式会社京食 代表取締役社長 村山由行 |
報告4 フードシステムにおける消費者の役割-問われる「消費」- |
京都生活協同組合 福永晋介 |
パネルディスカッション |
京都大学中央キャンパス祭り(京大生協主催)とのコラボレーションによる「農の味」即売会
日時
2010年10月22日(金曜日)午後5時00分~
場所
京都大学本部構内 時計台前広場
催し
京都府・市の農商工連携事業などの農業者・食品事業者の方々の農産物・食品即売
吉田地域自治会の方々の今宮太鼓、学生による模擬店
主催
地域農林経済学会
共催
京都大学食と農の安全・倫理論寄附講座、科学研究費補助金研究「食品リスク認知とリスクコミュニケーション、食農倫理とプロフェッションの確立」
後援
京都府、京都市