トルコ・コンヤ市で開かれた第11回世界歴史都市会議において、京都市が昨年、全国の学生から募った「京都学生まちづくりコンペ2007(都市デザイン部門)」で最優秀賞を受賞した京都大学大学院の学生4人が受賞作品を発表しました。
このコンペは京都市景観・まちづくりセンターの設立10周年記念事業で、職と住が混在する市内中心部の都市空間の利用に関する将来像を描く作品を募集し、86組の応募の中から京都大学大学院、都市環境工学専攻の学生グループの案が選ばれ、世界歴史都市会議での発表権を獲得しました。
1987年から始まり今回で第11回目の開催となる世界歴史都市会議は、参加156都市と過去最大規模となり、生きた遺産と共生する歴史都市に対する各国の関心の高さが窺われました。日本からは会議を主催する世界歴史都市連盟の議長都市である京都市と、会員都市である奈良市が参加しました。
京都大学の学生が発表したユース・フォーラムは、同会議において学生が発表する新たな取り組みです。日本からは京都大学、トルコからはセルジュク大学(コンヤ市)、ビルケント大学(アンカラ市)が参加、それぞれ学生独自の視点から歴史都市を捉え、問題提起やそれに対する提案、意見交換などが行われました。
京都大学の学生は、京都市都心部が格子状の表通りと街区内部の細い路地から構成されていることに着目することで、路地を「単なる移動空間」ではなく「その先に何かが待ち受けているという好奇心を駆り立てる空間」と捉え、その上で魅力的な路地空間を成立させるため、NPOを新たに発足させて空家・空地を更新して路地を張り巡らせ拡張していくシステムを提案、参加者の関心を集めました。また、会議に同行していたまちづくりコンペの審査員からは、京都大学の提案が具体的な案として検討されていたことを評価した上で、「単なる提案に終始せず、この案が実現されるようにこれから頑張ってほしい」との声が聞かれました。
歴史都市を保全・再生・活用するための各都市の取り組みや考え方に触れ、また、学生が自分たちの活動を発信し、世界の中で位置づけられたことは、将来のまちづくりを担うであろう学生たちにとっても貴重な体験となったようです。
第12回世界歴史都市会議は2年後に奈良で開催されますが、京都大学は連盟の議長都市である京都にある大学として、これからも世界をリードしていく提案が期待されています。
なお、同コンペの受賞作品に関する企画展を時計台記念館京大サロンで開催する予定です。詳細が決まりましたら、京都大学のホームページでお知らせ致します。
![]() 京都大学の発表の様子 | ![]() メイン会場 |
![]() ユースフォーラムに参加した学生達 |