iPS細胞に関する報道への記者説明およびコメントについて(2008年4月11日)

iPS細胞に関する報道への記者説明およびコメントについて(2008年4月11日)

左から松本 紘 理事・副学長、中畑 龍俊 iPS細胞研究センター副センター長

 毎日新聞社が11日付けで、「バイエル薬品(大阪市)神戸リサーチセンターの研究チームが昨春、ヒトの「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」を作製していたことが分かった」と報じた。

 これに対しての本学のコメントは以下のとおりである。

  • iPS 細胞の研究開発については、研究者間、企業間での研究開発競争が現におこなわれているわけであり、今回、報道のあったバイエル薬品以外でも研究開発をおこなっている企業等が世界中で多数あることは予想されている。また、本学でも複数の企業が着手していることを承知している。さらに、研究開発の結果、新たな手法等でiPS細胞の作製がおこなわれていることも考えられることであり、それにより企業は直ちに新しい技術として特許出願しているのも常識である。
  • しかしながら、それらの研究開発は、いずれも山中伸弥教授らによるiPS細胞の第1出願に基づく京都大学からの発表を受け、研究に着手していると考えている。今回の報道もその中のひとつの事例であると認識をしている。本学として、それらについて一喜一憂することなく、iPS細胞の研究推進と一日も早い実用化に向けた取り組みに全力を注いでいくことが重要と考えている。
  • なお、今回の報道の中で、京都大学 山中教授らが成功したのは、過去の発言などから昨年7月としているが、そのような発表は、行ってはいない。
  • 朝日新聞 (4月11日夕刊 1面) 、京都新聞 (4月11日夕刊 1面) 、産経新聞 (4月11日夕刊 1面) 、日刊工業新聞 (4月12日 13面) 、毎日新聞 (4月12日 1面および2面) および読売新聞 (4月11日 1面) に掲載されました。
  • 京都新聞 (4月11日夕刊 9面) 、日本経済新聞 (4月10日夕刊 20面) および毎日新聞 (4月11日 1面及び2面) に関連記事が掲載されました。