高井リサーチセンター開設記念式典 挨拶(2008年9月10日)

尾池 和夫

尾池総長  本日、高井リサーチセンターの開設記念式典にあたり、京都大学を代表して、ご挨拶とお礼を申し上げます。株式会社フジタカの高井保治(たかいやすじ)代表取締役をはじめ、ご来賓並びに関係各位にはご多用中のところ、ご臨席を賜り誠にありがとうございます。

 京都大学は我が国並びに世界で活躍する人材育成と、世界に卓越した知の創造を目指しております。医学研究科にあっては人々の健康を回復し、あるいは増進するため、まさに医学・医療、健康科学の分野において指導的役割を担っております。

 昨年春、医学研究科に「人間健康科学系専攻」が設置されました。まず名称が従来の「保健学専攻」ではなく「人間健康科学系専攻」と命名されましたが、これは国立大学のなかで初めてであり、本学のみであります。また、本学の卒業生がいまだ出ない学年進行中に設置されましたが、これも前例のないことであります。これらは京都大学が示しました理念と展望に文部科学省が深い理解を示し、そして大きな期待を寄せられた結果と自負しております。

 京都大学がこのような期待に応えてゆくために不可欠とする研究の場としまして、このたび高井保治様から多大のご寄付を賜り、おかげさまで「高井リサーチセンター」を建設することができました。深くお礼申し上げます。

 我が国が直面する医療、保健、福祉の諸問題に対し京都大学はその先導的役割を果たすことが責務であります。この「高井リサーチセンター」が人々を真の健康に導くために、その研究と広い交流の拠点となることを望んでおります。

 本日、高井リサーチセンターの開設記念行事を迎えることが出来ましたことを御臨席の皆様に感謝申しあげますとともに、関係各位には、一層のご指導とご理解、ご支援を賜りますようお願い申し上げて、私の挨拶といたします。

 ありがとうございました。