オーストラリア ケビン・ラッド首相の講演 挨拶 (2008年6月2日)

尾池 和夫

 本日、オーストラリア連邦ケビン・ラッド首相及び同令夫人を京都大学にお迎えし、首相にはご講演いただくことを大変光栄に存じます。京都大学を代表して、一言、挨拶を申し上げます

 ケビン首相には、大変ご多忙な日本滞在中の貴重な時間を、本日の講演にお割きいただいたことを心からお礼申し上げます。

 本日、京都大学の学生、教職員をはじめ京都府・市民等の皆様方の多数のご参加、ありがとうございます。この会場に入れなかった方々には、別にモニター室で、ラッド首相の講演にご参加いただき、直接、ラッド首相にお目にかかれなくなったことを大変恐縮に存じます。

 ケビン首相は、オーストラリア国立大学で中国語・中国史を専攻・卒業され、ゴス・クイーンズランド州内閣府事務局長、野党労働党の影の外務大臣等を経て、2006年12月同党党首に就任され、2007年12月3日、オーストラリア連邦の第26代首相に就任されて、その外交政策の重要政策の一つに、アジアとの関係を重視されております。ケビン首相は、日本語を含むアジア言語教育への投資等日本との関係強化をも表明されています。

 また、首相就任の当日に、1997年12月京都において議決された「京都議定書」(「気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書」、Kyoto Protocol to the United Nations Framework Convention on Climate Change)(1997年12月11日第3回気候変動枠組条約締結国会議で議決)に署名されました。


 京都大学では、2001年に基本理念を定め、その前文に「地球社会の調和ある共存に貢献する」と謳っております。その一環として、京都大学の研究者は、かねて京都議定書に関わる国内数値目標のためのデータ計算をしておりましたが、さらに、2002年の気候変動に関する政府間パネルIPCC〔Intergovernmental Panel on Climate Change〕レポート作成に当たっては、シミュレーションモデルの充実に深く関わっております。

 ケビン首相がこの京都をご訪問地の一つにお選びいただいたことに改めて感謝し、今回のご講演を通じて市民に多くの感銘を与えられ、オーストラリア連邦と日本の今後の友好と理解が大きく進展することを期待します。私もこのたびのご講演を心から楽しみにしております。
 ありがとうございました。