「弁護士法人くすのき」開所式挨拶 (2007年10月15日)

尾池 和夫

 尾池総長おはようございます。

「弁護士法人くすのき」の開設、まことにおめでとうございます。開所式に当たり、京都大学を代表して、お祝いを申し上げます。

近年の司法制度改革の一環として、法曹養成システムの抜本的な改革が行われ、法科大学院制度が創設されました。京都大学も、平成16年度に法学研究科の中に法科大学院の専門職学位課程を持つ法曹養成専攻を開設して、法曹養成の一翼を担って参りました。

法科大学院の教育課程においては、理論と実務の橋渡しをするために、質の高い実務教育が求められております。昨年来、法学研究科は、実務教育の更なる充実を図るために、学内に法律事務所を招致するための努力を重ねてこられました。その努力が実り、今回、「弁護士法人くすのき」が設立され、学内にその事務所を構え、法学研究科との協力の下に、優秀な法曹の養成に貢献していくことになったことは、京都大学の使命を果たしていくうえで、まことに慶ばしいことであります。

学内に法律事務所が開設されたことは、本学の教員・職員の福利厚生や、大学の地域社会への貢献という面でも、大きな意義があると考えます。

くすのきは、中国では樟、英語ではcamphor treeです。大学の中に樟脳を入れるのも、何かと意味があるかもしれません。

中田教授をはじめとする、関係各位のご努力により、「弁護士法人くすのき」が時計台前のくすのきのようにすくすくと成長し、当初の目的を達成されますことを祈って、私の祝辞とさせていただきます。

ありがとうございました。