IIOフェア東京 挨拶 (2006年9月13日)

尾池 和夫

尾池総長

 平成8年7月、次世代の産業を支える基盤的研究の推進とベンチャー精神に富み、起業家マインドを持つ創造的人材の育成を行う「ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー」を設置しました。

 平成13年4月、全学の産学連携推進の窓口機能を担い、次世代産業基盤の構築、人的融合による新規学問領域の創成、新たな大学像の提案を目標とする「国際融合創造センター」を設置しました。

 平成15年9月、本学帰属の特許等知的財産の管理運用体制として「知的財産企画室」を設置しました。
 平成15年12月には、知的財産ポリシーを策定しました。
 平成16年3月には、産学官連携ポリシーを策定しました。
 平成16年11月、事務組織の中に「産学官連携推進室」を設置しました。

 平成17年4月、大学の知を核とするイノベーションの創出と知的創造サイクルの確立を目指して「国際イノベーション機構」を設置し、松重 和美副学長を機構長に任命しました。

 平成17年10月、国際イノベーション機構に「スーパー連携室」を設置しました。

 本年度から始まった第3期科学技術基本計画では、イノベーション創出が主要な目標の一つとされています。この目標は、単に予算が増額されれば進展するというものではなく、我が国の現状、産業構造等も含めて、産、学、官それぞれの立場に立って、地域との連携のもとに独自の工夫をしながら創出していくものであろうと思います。
 本学でも、この数年、特に平成16年4月の国立大学法人化後、産学連携を積極化し、包括的アライアンスに基づく共同研究、研究成果の技術移転、大学発ベンチャーの創出を進めています。知的財産権についても、原則機関帰属の方針をとりつつ、特許申請数を飛躍的に増加させています。現在は数の評価から質的な面の検証の段階にきており、大学での教育、研究、社会貢献のあり方と考え合わせつつ、更なるシステム改革も必要であろうと考えております。
 産学連携は、単に一大学と特定の企業間だけでなく、複数の大学、複数の企業の間の連携による融合アライアンス、中小企業も巻き込んだ地域クラスターの形成、そして今後は国際的産学連携も当然取り組まれることになろうと思います。こうした中で、大学はイノベーション創出に向けた重要な推進母体の役割を担うことが必要であり、また期待されています。

スライド

 京都大学の活動の一つとしては、京都大学桂キャンパスにおいては、テクノロジーとサイエンスを融合させる場としての「桂イノベーションパーク構想」があります。大学院工学研究科と情報学研究科の新しい研究・教育の場としての機能を有し、研究者が専門分野の枠組みを越えて研究活動を行います。大学の研究成果の社会への還元のため、京都市、京都地域の産業支援機関、科学技術振興機構、中小企業基盤整備機構が一体となった「大学連携型インキュベーション事業」として、京大桂ベンチャープラザ並びに研究成果活用プラザの施設を利用した産学官連携活動が推進され、京都大学もこれを支援していくこととしております。

 最後になりましたが、今回の「IIOフェア」の開催にあたりまして、共催いただきました科学技術振興機構、中小企業基盤整備機構、並びに後援・協賛いただきましたご関係の皆さまに御礼を申し上げ、私の挨拶といたします。

 ありがとうございました。