尾池 和夫
創立を記念して集まっていただくこの会に、今日もたくさんの先生方にご参加いただき、たいへんうれしく思います。
正月にお目に掛かって以後の半年、京都大学には多くのことがありました。それらをまた少しだけ選んで、ご報告いたしたいと思います。
2005年2月8日、第5回京都大学国際シンポジウムをシンガポールで開催しました。シンガポールでご活躍の伊藤先生にも、国立シンガポール大学のシー学長にも、また、京都大学の先生方にも、たいへんお世話になり、大成功でした。とくに京都大学から多くの大学院生が参加したのが本当によかったと思います。
3月8日、宇治地区総合研究実験棟竣工記念式を行いました。宇治地区の皆さんにとって待ちに待ったスペースであり、とりわけ文教施設費が厳しい状況の中での竣工式でありました。
4月1日、今年度に入り、新しく5つの機構が発足しました。京都大学図書館機構(機構長大西 有三教授)、京都大学情報環境機構(機構長 松山 隆司教授)、国際交流推進機構(機構長 横山 俊夫教授)、京都大学国際イノベーション機構(機構長・副学長 松重 和美教授)、京都大学環境安全保健機構長(機構長 大嶌 幸一郎教授)、従来からの高等教育研究開発推進機構(機構長丸山 正樹教授)を入れて6つになりました。
4月5日、名誉教授称号授与式では、63名の方々が称号を授与されまして、今日現在958名ですが、現役の教授が980名ほどですから、現役の教授を凌駕するほどの勢いということになりましょう。
4月7日の学部入学式では、2,992名の学生が入学し、大学院入学式では、修士課程 2,240名、専門職学位課程 230名、博士後期課程 971名が入りました。学生数は22,000名ほどであります。
4月8日には桂キャンパス福利棟竣工披露式を開催しました。
5月13日、東アジアの4大学との学術交流協定の締結しました。中国科学技術大学、韓国科学技術院L、香港科技大学、台湾大学の学長と一堂に会して同時に調印式を行いました。
5月13日、6大学連合で、Opencourseware(講義情報公開)に合意しました。大阪大学、京都大学、慶應義塾大学、東京工業大学、東京大学、早稲田大学の6大学が、連携して講義を公開する計画です。
5月17日には、湯川 秀樹博士の「ユネスコメダル」を湯川スミ夫人に伝達しました。ユネスコメダルで、日本人がデザインされたのは初めてです。平山郁夫画伯のデザインですが、よく似ていますねと湯川スミ夫人に申し上げましたら、大きく頷いて、本当によく似ていると喜んでおられました。そのことを平山画伯に先週伝えてお礼を申し上げたら、画伯は「肖像はまず第一に似ていることが重要です」と笑顔で答えられました。
5月27日、桂キャンパスのローム記念館竣工式典を実施しました。
これからも多くの課題がありますが、日本の大学も、いよいよ本格的に評価の時代に入ります。となりの中国では、中国管理科学研究院・科学学研究所の「中国大学評価」課題チームというのがあって、2005年中国大学ランキングを2月に発表しました。中国の一流大学15校の選出とか、専門別ランキングとか、大変です。
総得点が発表されて、1位清華大学 270.74、2位 北京大学 236.93、3位 浙江大学 197.31、4位 復旦大学 147.63、5位 南京大学 130.88点というように発表されました。
国立大学法人として初めて、いよいよ年度報告をまとめ、決算報告する時期になりました。日本の評価はどのように行われるのか、京都大学の将来をまもるためにも、皆さんも大いに注目していてください。
視点を変えて、課外活動のスポーツですが、三段跳びの田島選手と原田選手の輝かしい歴史を語るオリンピックオークが、北部構内にみごとに繁っておりますけれども、最近オリンピックへの夢が大いに語られています。例えば、京都大学ヨット部創立70周年のお祝いのときにも、また陸上部の杉本 明洋選手が、ヘルシンキで行われる陸上の世界選手権の男子競歩20キロの代表に選ばれたときにも、オリンピック出場の可能性の話に大いに盛り上がっている様子が見られました。
まだまだ多くのことがありますが、短い昼の時間ですので終わりにします。本間理事を中心に、最近の京都大学の充実した広報活動が行われておりますので、ウェブサイトからも広報資料からも、大いに京都大学の現在を見ていただくことをお願いして、今日の挨拶といたします。
ありがとうございました。