大山 莞爾 名誉教授が日本学士院賞を受賞 (2008年3月13日)

大山 莞爾 名誉教授が日本学士院賞を受賞 (2008年3月13日)

  大山 莞爾 名誉教授に日本学士院賞が授与されることになりました。
  授賞式は,6月に日本学士院で行われる予定です。
  以下に大山 名誉教授の略歴,業績等を紹介します。

 大山 莞爾 名誉教授は,昭和39年京都大学農学部農芸化学科を卒業,同44年同大学大学院農学研究科博士課程を修了し,同年米国ロックフェラー大学,同45年カナダ国立研究機構植物工学研究所研究員,同55年京都大学農学部農芸化学科助手として採用され,助教授を経て,平成2年11月より教授に昇任し,植物分子生物学講座を担当しました。平成11年から発足した生命科学研究科の設立に尽力し,初代研究科長を務めるとともに植物全能性発現学講座を担当し,同15年退任,京都大学名誉教授となりました。その後,同年石川県立農業短期大学教授を経て,平成17年石川県立大学生物資源工学研究所教授となり,現在に至っています。

 今回の日本学士院賞受賞は,「植物核外ゲノム及び性染色体の遺伝子構成と分子進化に関する研究-ゼニゴケゲノムを中心として-」に対するものです。植物分子生物学研究において緑色培養細胞のゼニゴケに着目し,その葉緑体ゲノム及びミトコンドリアゲノム(オルガネラゲノム)における遺伝情報の全貌を明らかにし,オルガネラの機能発現に関する研究の基盤を確立しました。さらに半数体雌雄異株植物であるゼニゴケの雄性Y染色体の全遺伝子構成を解明し,性染色体の分子進化に関する研究を進めました。以上の研究は,国内外の植物分子生物学研究,ゲノム研究に強いインパクトを与え,両研究分野の体系化と発展に多大な貢献をしました。

 これらの一連の業績に対して,昭和62年に京都新聞社文化賞,平成7年に日本農芸化学会賞が授与されました。