トップコミットメント

トップコミットメント

京都大学の約束

京都大学 総長 尾池 和夫

2005年は、地球温暖化防止に向けた京都議定書の発効や、「愛・地球博」の開催など、象徴的な出来事が続きました。京都大学においても、4月に環境安全保健機構が発足し、早々にアスベスト問題という重大な環境問題に直面しました。幸い、学内外のご理解とご協力を得て、適切に対応することができました。しかし、京都大学の環境問題に対する取り組みの真価が問われるのは、これからです。

京都大学が掲げる環境憲章は、教育・研究の推進、社会貢献、すべての大学活動における環境配慮を明確に謳っています。その実現に向け、学術的な視点と思考力、構想や行動力を生かし、京都大学の環境管理に進んで取り組み、地球環境問題に貢献します。具体的には、次の三つをお約束します。一つは、大学の活動が与えるすべての環境負荷を小さくすることです。大学というところは、実にさまざまな活動の混合体です。これらの活動が与える環境負荷を適切に評価し、削減します。二つには、環境マインドを持った人材を輩出することです。そのような役割を担うことは教育機関である大学の使命であり、社会的に望まれていることでもあります。最後は、これらの情報を積極的に開示することです。これまで大学は、学術領域の牽引役として多大な貢献をしてきました。しかし、それだけで社会貢献が十分に果たされているとは言えません。本来、大学と地域社会とは協力連携すべきものです。社会連携の一環として、本学の環境活動が適切なものであるかどうかを、地域社会にご判断いただくための情報を開示します。京都議定書が生まれたこの地において、京都大学は、基本理念に基づいて地球環境保全に努める所存です。

COLUMN

尾池えんぴつのなぞ

尾池総長のデスクで見つけた不思議な鉛筆。
何かが違う…そう、少し長いのです。
これは、短くなった鉛筆を、新しい鉛筆の先につけたもの。
ねじれに強い接着剤でくっつけることで、鉛筆削りの回転にも耐え、最後まで使えるというアイデア。